tag:blogger.com,1999:blog-38892026598699919372024-03-13T07:51:46.645+09:00WalrustheGreatWalrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.comBlogger43125tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-65386929291571489552017-03-07T23:08:00.000+09:002017-03-07T23:08:55.519+09:00雑文 平成29年3月7日 だらだらとBlitzをプレイすることが多くなったが、最近ぐんとレーティングが上がって1800台に行った。やりすぎると悲惨なことになるため、あまりしないようにしてるがBulletは1900半ばまで上がった。<br />
<br />
「コツ」を語れるほどの強さはないが、何が変わったか意外と自覚はある。時間に余裕が感じられるようになったことだと思う。Bulletだと顕著だが、1分でできることは少ない。慣れないうちは時間がないから、思考を放棄してしまう。慣れるとこれが変わる。1分でも意外と時間があると。3分ならなおさらだ。<br />
<br />
前は、1800とか1900のプレイヤーは、あんまりミスもしなくて、そこそこオープニングも知ってて…と思っていたがそんなことはない。時間が切迫しているので、わりとめちゃくちゃな手を打ってくる。余裕がないとそれを咎めることができないが、余裕を持てると少しできる。それが少しでもできればレーティングが上がった。<br />
<br />
コツなんて言っておいて、答えは「慣れ」でしかないのだが、時間がないように思えても焦らず、相手は絶対に変な手を打つと構える。プリムーヴは重要だが、脊髄反射をしない。1秒でも2秒でもワンクッション置いて、それから打つ。それだけでBulletもBlitzもマシになる。<br />
<br />
とはいえ、プリムーヴは重要。特にエクスチェンジの可能性があるなら、エクスチェンジするようにプリムーヴしておくとか、必然手についてはプリムーヴを打っておくとかする。プリムーヴで相手の時間を削れば削るほど、上の状況と逆で、相手は焦り、変な手を打つ。引っかかったら仕留める。<br />
<br />
もう一つパターン認識についての話題。以前書いた上達系の記事が未だに一定のアクセスがある。大変光栄だが、今となってはどうかなと思う。<br />
<br />
大学受験の数学でチャート式の例題を覚えまくるという勉強方法があった。曰く、ウンウン問題を考えるのではなく、分からなかったらすぐに答えを見て、パターンを覚える。基礎パターンの問題を一定数繰り返し暗記する。それができれば東大の問題も解ける!みたいなやつだ。<br />
<br />
ほとんどの人が失敗したと思う。チャート式を覚えたところで東大の問題をまともに解けた人は1%もいなかっただろう。そんな都合よく行くわけない。パターンを覚えればなんでも解答可能、そんな都合よくいかない。<br />
<br />
パターン認識をする、パターンをストックする。その考え方自体が誤っているわけではない。「認識」とか「ストック」とか軽そうな言葉にまどわされて、パターンの意味を深く理解していないことが問題だ。大学受験の数学でいえば、究極的にいえば最低限の定理に集約すれば大した数はない。ということは、その最低限の定理さえ理解していれば、原理的に言えば、全ての問題が解ける。<br />
<br />
本当にある基本的な事柄を理解することができれば応用ができる。深く理解できれば、自分が直面する問題に応じて言い換えて当てはめられる。こうした業ができなければ、パターンを使えるといえない。<br />
<br />
以前の記事では、とりあえずストックしまくりましょう!なんて書いたが、そんなことしていても、本当に考えずにやる人だったら、全く上達しないかもしれない。結局、学問に王道なしというとおり、一つ一つウンウン頭を使って考えて、自分の頭の中に落とし込む、そういう作業が必要になる。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-34701651271136822902017-02-26T16:56:00.002+09:002017-02-26T16:56:21.158+09:00ひさしぶり<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="https://www.chess.com/emboard?id=3344081" width="574"></iframe><br />
<br />
久しぶりにブログ投稿。<br />
<br />
最近またチェスをやりはじめていた。3分のBlitz、1分のBulletばかり。Bulletが上達してレーティングも上がったが、これは本当に実力は関係ないと思う。慣れと、極力ミスしないこととプレムーブの上手さ。あとは、相手に時間を浪費させる嫌なオープニングを選ぶことか。<br />
<br />
かなり久しぶりにStandardをやった。一度も勝機がなかったが、反対色ビショップでなんとかドローまで持ち込みそうになったが、最後に凡ミスで失敗した。<br />
<br />
久しぶりに「考えて」、時間をめいいっぱい使ってやってみたが、その実、考えていると言ったって何を考えているのだろう。<br />
中級者になると、「それっぽい手」が何手か見えて、何手か読めるようになる。しかし、そこからの局面評価ができない。特に駒得とかタクティクスとか明確な差が出ない場合はなおさらだ。どっちがどういいのか分からない。<br />
まあ、そういう疑問に答えるために、現在日本在住のシルマン御大の「How to Reassess your Chess」みたいな本があるのだろう。<br />
もっとも、タクティクスとは車輪の両輪みたいなもので、局面評価ができたところで読みが浅いと意味がない。そして、読みは、おそらく、成人になってからは大して鍛えられない。<br />
<br />
なんとなくのイメージだが、成人からチェスを初めて、そこそこ才能のある人ががんばっても(FIDE)レーティングは2000ぐらいで頭打ちになるんじゃないかと思う。それ以上は子どものころからやってないときつそうだ。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-41334392104023277402016-08-06T00:02:00.000+09:002016-08-06T00:02:25.546+09:00無慈悲の鉄鎚<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="519" src="https://www.chess.com/emboard?id=3096974" width="574"></iframe><br />
久しぶりに15/10で勝った。上手くいきすぎていたので、そうなるとは分かっていたが、連敗していた。確か。勝ったといっても、相手が8手目でブランダーしてるので、大して面白くはならなかった。タクティクスタクティクスタクティクス、ちゃんとタクティクスをやりたまえ。本当、これだから素人は・・・以後は盤上の駒のお掃除活動を開始した。すると、なにやら、キングサイドにポーンを無遠慮にグリグリ押し付けてきた。真夏にこんな暑苦しいことを。が、キングを逃したところで、相手も手詰まりになった。窮鼠猫を噛まず。c2ポーンに無慈悲の鉄鎚を下し、我が軍の圧倒的勝利で幕を閉じた。<br />
<br />
一瞬モリモリと高まったチェス熱もだいぶ冷めた。CT-ARTも急激に難しくなって、ほとんど解けなくなった。難易度順で行くと600を超えたあたりから、ボッコボコにされる。たまに、10手ぐらいの問題が出てくる。10手なんて解けるわけないでしょう。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-84396967905311448132016-08-05T00:29:00.000+09:002016-08-05T00:29:10.517+09:00<iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/ikxGOwtA13g?list=UUMWfIfNvCsdGRHXCzVF6O7w" width="560"></iframe><br />
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あほらしすぎるけど大笑いした。よくこんなペラペラ話せるわ。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-53373111146505967172016-07-23T00:55:00.001+09:002016-07-23T00:55:59.652+09:00ゴリゴリボリボリ<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="https://www.chess.com/emboard?id=3082774" width="574"></iframe><br />
<br />
<br />
久しぶりにルイ・ロペス。数年ぶりかも。早くも5手目にて、手順を忘れた。後はノリで進め、しまいにクイーンサイドキャスリング。13...Bxf3はほんとダメな手だった。何も考えていないからこういうダメな手を打つ。<br />
<br />
「とりあえずキングに攻撃する」という脳筋のプランでゴリ押ししたら、勝手に自壊してくれた。ルークを隣同士で並べて突撃って。22.Nf5は痛かったな。<br />
<br />
ストラテジーに対する考え方が変わった。アウトポスト、オープンファイル、白マス・黒マス戦略(典型的にはキング周りの特定の色のマスが弱まること)、二つの弱点理論、ポーンストラクチャー様々・・・それらのストラテジーの要素自体には意味がない。ナイトがアウトポストでいても、最後まで何もしなければ意味がない。<br />
<br />
ストラテジー、戦略の目的は、タクティクスまたはメイトを発生させること、言い換えれば相手のブランダーを誘発させることにある。戦略的に攻めて、機が熟した段階でボンとタクティクスかメイトが発生する。オープンファイルバッキバキに開いてるわ、ナイトアウトポストでオラオラ陣取ってるわ、キング周りの白マスがスッカスカだわ、両ビショップ端から端まで目をギラつかせてるわってなれば、そりゃタクティクスも発生する。<br />
<br />
タクティクスだけやっていたらそもそもタクティクスが発生する局面にたどり着きにくいかもしれない。ストラテジーだけやっていてもタクティクスが発生しても気付かないかもしれない。そういう意味で、車の両輪みたいなものだ。<br />
<br />
ただ、アマチュアレベルだと、戦略云々以前に、無意味なブランダーに満ち満ちているので、相手のブランダーに気付けば、ブスリと仕留められることが先決なのだろう。<br />
<br />
ところで、スマホにCT-ART入れてみてから、通勤のときにやっている。毎日30分ぐらい歩いて通勤していて、歩きスマホでタクティクス。500問ぐらい解いた。確かに、タクティクスが良くなった。だいぶタクティクスが見えるようになった。 結局、Tune your chess Antenna(たしかそんな名前だったか)やUnderstanding Chess Tacticsに書いてあるようなことを見えるようになるということだろう。<br />
<br />
にしても、難しい。レベルが10~180という謎の18段階なんだけど、レベル30ぐらいでChess.comの2000より難しい。これで30なら180どうなんねん。自分の弱点も分かる。5手を超えたあたりぐらいの問題から途端に解けない。5手以上を読む読みの力がないこともあるが、自分の中で5手が限界との考えがあるのか、5手を超えると考えるのをやめてしまう。5手以上ばかりの問題になってくるから、全く解けなくなる。 <br />
<br />
この壁を越したら、新たな領域に達しそうな気がするが、気がするだけか。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-10942584303537517482016-06-30T00:55:00.004+09:002016-06-30T01:39:07.652+09:00スマホのアプリで わりとリアル・ライフがあっぷあっぷでチェスどころではないが・・・<br />
<br />
スマホのアプリ増えまくってるんですね。旧Personal Chess Trainer、現Chessimoがアンドロイドでもダウンロード可能になっていた。<br />
<br />
猛烈スパルタタクティクス教室というべき、5000問ぐらい(たしか)のタクティクスを全問計6~7回やらせるという鬼畜タクティクス・ソフトウェアだ。一時1000問ぐらいは解いたが心が折れてしまった。家にいる時間があまりないのでパソコンではやりにくいが、スマホなら暇なときにできそう。 これとConvetkaのCT-ARTシリーズをやって、Chess.comのタクティクス・レーティングが2800まで言ったなんて書いている人がいたが、うそかほんまか分からんが、やってみる価値はあるかも。<br />
<br />
それと、Convetkaのアプリもスマホでダウンロード可能に!しかも、かなり見やすい!確かConvetkaは東欧かどこかの会社のソフトで、パソコンのものは複数ソフトを持っている。ただ、ソフトのインターフェイスがチャチいというか使いにくいというか、Chessbaseとの相性も良くないし、結局使っていなかった。スマホ版はかなり見やすく使いやすくなっている。<br />
<br />
Convetkaのソフトは、チェスソフトの中では伝統があって、IMやGMが結構真剣に作ったもので、一部では熱烈な支持を受けている。Rapid Chess Improvement(急速チェス上達法)という怪しげな本があって、この本の著者によれば、ConvetkaのCT-ARTというタクティクスソフトをやりまくって、レーティングが2000を越したなんていう話がある。<br />
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<img src="https://angrybishop.net/wp-content/uploads/2015/03/Michael-de-la-Maza.jpg" /><br />
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マイケルさんはおいておいたとしても、旧ソ連系のチェス一派では、Convetkaのソフトを使ってチェスマスター養成のトレーニングをしているところもある(記憶が正しければ)。実際、量は非常に多く、ソフトによっては解説も丁寧(親切ではないことも多い)。ただし、タクティクスを除き、基本的に、初心者向けのソフトではない。<br />
<br />
そんなConvetka、エンドゲームとストラテジーの面白そうだからやってみようかな。<br />
<br />
・・・結局、ワンクリックで、ChessimoもConvetkaのソフトも2,3個買ってしもた。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-15753630423158257852016-06-27T22:28:00.000+09:002016-06-27T22:45:59.752+09:00Double Bishops<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="https://www.chess.com/emboard?id=3056058" width="574"></iframe><br />
<br />
ものすごい勢いで連勝して、過去最高レーティングまで到達。なんとchess.comでトップ1%。水増し+100ぐらいか。逆にブリッツをやってみると弱くなった。レーティングが上がれば上がるほどレーティング病に罹患しやすくなるので、注意注意。<br />
<br />
久しぶりに1.e4をやってみたはいいが、序盤から相手がゴリゴリとピース交換を迫ってきた。応じてやろうじゃねえかとキング益荒男振りのミドルゲーム突入。ただし、ダブル・ビショップは温存。場が開ければビショップは強い。途中、一発メイトされてしまう大ブランダーを犯すも気付かれることなく、2ビショップvsルークのエンドゲームに。幸いパスポーンがあったので、クイーンを促成栽培してメイト。<br />
<br />
即死手の27.Kxf5はもちろんだが、26.gxf5?もひどい。ちょっと考えたら分かるのに、こういうときに焦ってしまう。キングがd3まで下がった後、ビショップを下げざるを得ないのは明らか。そうすれば、gxf5から、gファイルを空けてルークでアタック。わりと簡単なプランだ。クリティカル・モーメントでこそ考えないという悪癖。連続で悪手はまずい。<br />
<br />
うすうす気付いていたことが一つ。常に3手先読めればもっと強くなるんじゃないかということ。もちろん、タクティカルな局面では5手ぐらいまでは頑張って読む。が、普段はどうかというと読んでいない。ブランダーではなく、かつ、それっぽい手を選ぶことが大半。普段から3手先まで読んでたら、もっと強くなれそう。Andrew SoltisのWhat it takes to become a grandmasterに、たしか、5手先読みがデフォルト設定ならマスター・クラス的な話があったが、まずは3手でいこう。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-72463863323199899072016-06-25T15:13:00.000+09:002016-06-25T15:19:41.194+09:00取れそうで取れないd4<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="https://www.chess.com/emboard?id=3053666" width="574"></iframe><br />
<br />
久しぶりにd4をやってみようと思ったら...e6だったので、そうならばとフレンチにしようとかと思ったが、やっぱりやめてMonte Carlo(3.exd5 4.c4)を指した。<br />
<br />
やってみたのはいいが、非常にやりにくかった。d4にずっとプレッシャーをかけられて、どう進めばいいのか分からなかった。...Bg4で、ナイトがピンされて間接的にd4が弱まり、...cxd4とされたときに、c4を取り返せるのか、などなど考えた。考えたといっても2,3手先を読んで「ああ、駄目だ」程度の浅い読みだった。<br />
<br />
後でコンピューターで解析してみると、意外なことが分かった。序盤でd4はほとんどの場合取れない。強欲にd4を取ろうとして、Bxf3とNxd4とすることは、たいがい白のタクティクスが発生する。また、1...Bxf3, 2.Bxf3 Bxc3として、黒がc4を安全に取れるのかというと、そういうわけではない。タクティクスで間接的にd4を守っている。<br />
<br />
ヴァリエーションでいろいろな解析結果を載せてみたが、非常に複雑なものもあるし、果たして結果的にどちらが良いか分からないような局面に到達することも多々。当然読めなかった。IQP(Isolated Queen's Pawn)のオープニングはやったことが無かったが、なかなか奥が深そうだ。<br />
<br />
前半は苦しみつつもなんとか耐え、中盤で相手が時間切れになりそうで悪手を指して挽回したものの、後半はグダグダになり、最後はナイトのおかげでなんとかドロー。 勉強にはなったかな。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-56865425913746487912014-04-12T20:41:00.001+09:002014-04-12T20:47:44.813+09:00King's Gambit! 最近は時間があまりとれないので対局を全然やっていない。 とはいえチェスのことを忘れたわけではなく、新しいオープニングもやってみようかと思っている。 特に今まで無意識的に避けてきたキングズ・ギャンビットといったアグレッシブなオープニングが面白そう。<br />
<br />
先日、注文していたJohn Shawのキングズ・ギャンビットの本が届いた。( なぜか「The Fascinating King's Gambit」という結構大きい本も持っているが、全く読んでいない。) このJohn Shaw本は驚きの680ページ。 執筆に5年も要したらしい。 しばらくはKGの決定版になりそうだ。 King's Gambitの本は長らく発売されていなかったから、気になって買った。<br />
<br />
まだ軽くしか読んでいないが・・・ 内容はというと、「The Refutation of 3.Bc4」なんていう挑戦的なタイトルの章もある。 いわゆるメインライン1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 g5 4.h4に230ページぐらい費やしている。 結論としては、このメインラインはあまり白にとって良くないという結論がくだされているのが興味深い。 そこで、代替的に推されているのが、1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 g5 4.Nc3!?のQuaade Variationという聞いたこともないヴァリエーションだ。<br />
<br />
実際、このヴァリエーションはほとんどプレイされていないようだ。 ただ、読んでみるとこれが面白い。 実際にプレイされた数が少ないためコンピューターによって作られたラインが多くを占めるのだが、非常に複雑で、最善手で指し続けると、おそらく黒にとってとんでもなく指しにくい。 アマチュアではもはや不可能レベル。<br />
<br />
しかも、最初からいきなりアグレッシブなので、20、30手まで覚えなければならないというわけではなく、相手がミスすれば10手台で勝負がついてしまうこともままありそう。 実際、Shaw自身が、著書の中で、「事前準備をしていなかったら、正確に指し続けることはほぼ不可能」なんてことも書いていた。<br />
<br />
確かに大部の本であるが、Quaade Variation含め、自分が使う部分だけ読むのであれば300ページあるかないか。 この程度なら読んでも良いかもしれない。 何より、20、30手まで覚えて、やっと+=なんていう(アマチュアにとって)実りのないオープニングではなく、覚えたら即効で勝ちにつながりそうに思える(もちろん、KGの場合は相手が正確に指し続けたら=にたどり着くことが通常のようだが、普通は無理だろう)。 何より、Quaade Variationなんていうマイナーなラインに対して完全に対策しているのは、マスターでもほとんどいないだろうし、アマチュアならば皆無だろう(もちろん、2....Bc5などを選択すれば避けられるが)。 ということで、サプライズウェポンとしても最適と思える。<br />
<br />
また、白視点だけではなく黒視点でも書かれているので、1...e5を選択する人にもオススメできると思う。<br />
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試しに、実戦で決まったら面白そうなラインを紹介<br />
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<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="519" src="http://www.chess.com/emboard?id=1972898" width="574"></iframe>Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-1563317476888164282014-03-16T20:52:00.003+09:002014-03-16T20:58:12.111+09:00The Amateur's Mind 、 ビデオその他<b>1.The Amateur's Mind</b><br />
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<u>(1)初心者向けではない</u><br />
アメリカのIM Jeremy Silmanの本はどの本も非常に評判が良いが、エンドゲームの本以外長らく読んでいなかった。 チェス本の整理をしていて、The Amateur's Mindがあったので、少しだけ読んだ(ちなみにこの本は、How to Reassess your Chessの前段階ぐらいのレベルの本とされている)。<br />
<br />
実はこの本はレーティングが1300ぐらいのときに一度読もうとしたことがあったが、その時はよくわからなかった。 そもそも、ゲームの主眼がタダ取りをされないこと、基本的なタクティクスを見落とさないこと、といったレベル(~1400ぐらい)の段階ではストラテジーの知識は、センターを支配する、オープンファイルをルークを配置する、ナイトでアウトポストを支配する、といった基本的な戦略の知識以外は不要だと思う。 そんな段階のときに読んだから、良さがわからなかったのだろう。<br />
<br />
<u>(2)本の中身</u><br />
本の中身については、やはり評判が良いだけあってかなりタメになる。 この本のスタイルは、あるテーマ(例えばビショップVSナイト)毎に章分けされていて、最初に当該テーマを体現するようなゲームを紹介、次にアマチュア(レーティング900~2200ぐらい)の人たちに同じポジションをプレイしてもらい、手を選ぶときにどんなことを考えているか口に出して言ってもらう。 その上で、アマチュアの思考過程をSilmanが批判していくというスタイルの本だ。<br />
<br />
実際に本の中で登場するアマチュアたちが口に出す言葉は、まさに自分と同じようなものだった。 そして、それに対するSilmanのかなり厳しい言葉を読むと、いかに自分が何も考えずに、なんとなく手を選んでいたのかということがわかる。改めて考えれば、今までまともにプランなんて考えずに指していた。 例えば、本の中でアマチュアが繰り返すミスの一つとして、「相手の手に驚いてしまって、当初の自分のプランを放棄し、相手の思うがままに操られる」というものがあるが、まさに自分に当てはまる。<br />
<br />
もちろん、現代のスーパーGMといったレベルになればまた話は別になるのだろうけれど、上手くなっていけばいくほど、両プレイヤーともに明確なプランをもってそれをぶつけ合っていくという形になる。 そういうレベルになれば、もっと自分で「考えて」指すことができるのだろうと思う。 今の段階では、「なんとなくこの手が良さそう・・・ついでにブランダーではない・・・よし」的な思考過程なので、プランなんてものとは程遠い。 局面評価はできないし、自分の手が良いか悪いかについて明確に理由付けすることができない。<br />
<br />
<u>(3)現状と課題</u><br />
①正確な読みができること(主に視覚化の能力)、②局面評価がある程度できること、③プランをある程度立てられるようになること、④タクティクスのストックを増やすこと、これらが今の自分の問題だと思っている。 これらをちゃんと向上させることができれば、もっと上手くなれるだろうと思う。<br />
<br />
①は果たして向上させることができるかどうかわからないが、寝る前に視覚化の練習を5分ぐらいやることにしている。 ②③については、とりあえずSilman本(The Amateur's MindとHow to Reassess your Chess)を徹底的に潰すことをとりあえずの目標にしようと思っている。 ④については、タクティクスを解き続けることが重要で、後はUnderstanding Chess TacticsやTune Your Chess Antennaといった本も読もうと思っている。<br />
<br />
<b>2.ビデオ</b><br />
<br />
<u>(1)ビデオを観た</u><br />
ビデオビデオと言っていたので、chess.comでDaniel RenschのIQPのビデオを観た。 やっぱり、ビデオの方が頭に残りやすい。 一応ビデオを見ながら記録はChessbaseで残しているが、本を読むよりずっとわかりやすい。 わかりやすいというか、話し言葉なのでどこが重要かといった点が明確なので、頭に印象づけられやすい。<br />
<br />
確かに一部の非常に優れた本は存在するが、そういった本を除いては後はビデオ任せというのも一つの方法かもしれない。 chess.comのみならず、ICCにもかなり大量のビデオがあるのでそういったビデオを一日一個ぐらい観ていくだけでも相当ためになりそうだ。<br />
<br />
<u>(2)ビデオサマザマ</u><br />
例えば、ICCにはJohn Watsonのポーン講義が大量にあるが、こんなのを全部見れば、Drazen MarovicやAndrew Soltisのポーン本を読むより、案外ずっと頭に残りやすいかもしれない。chess.comにもPawn Structureの講義シリーズがある。<br />
<br />
ちなみに、ICCのビデオについては、「Game of the Day」というビデオの一部については無料で観れるようだ。 ご丁寧に昔のGame of the Dayのビデオをオープニング毎に分類してくれているブログがあった。興味がある人はどんな感じか観てみると良いと思う。<br />
<br />
<a href="http://bishopsbounty.blogspot.jp/2009/05/113-grandmaster-chess-videos-free.html">http://bishopsbounty.blogspot.jp/2009/05/113-grandmaster-chess-videos-free.html</a><br />
<br />
現在、ICCは1ヶ月体験コースを実施しているので、仮入会してビデオを観てみてよかったら入会するというのも一つかもしれない。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-38210466709774576372014-03-07T21:32:00.002+09:002014-03-08T01:25:22.635+09:00読みと視覚化 タクティクスをちまちまとやっているが、やっぱり読みが弱いと自覚する。 読みが正確にできるかどうかは実力にももちろん影響する。 なんだかんだ言って、マスターであったりエキスパートぐらいのレーティングのプレイヤーとそれ以下のプレイヤーを分けるものの大きな要素の一つとして、読みの力がある。<br />
<br />
そして、これは成人からチェスを始めた人と子ども時代からチェスを取り組んでいる人の違いの一つでもあると思う。 子供時代から将棋なりチェスなりに親しんでいたら、頭の中でボードを思い浮かべるのはそれほど難しくないだろう。 そして、成人プレイヤーがある程度以上に上達し難い原因の一つでもあるだろう。<br />
<br />
読みの力で重要なのは何よりも正確さだ。 仮に5手(相手の手も含む)を正確に読む力があれば、その他の能力が高ければ相当に強いだろう。 確か、ソルティスのStudying Chess Made Easyにも、普段から5手正確に読めれば十分と書かれていた。 <br />
<br />
例えば、仮に候補手が3つあって、それぞれの分岐が総計10あるとする。 正確に読むことができるなら、一つ一つ検討していって最終的に手を決定するのは難しくないだろう。 ただ、読みが弱いと、ひたすらに同じヴァリエーションを検討し続けて、進んでは戻って進んでは戻っての繰り返しで、非常に効率の悪い読みを繰り返し、結局何が何だかわからなくなるなんてことになってしまう。<br />
<br />
読みが正確にできない最大の理由は、頭の中で明確な視覚化(Visualization)ができないことにある。<br />
<br />
例えば、TisdallのImprove you chess Nowでは、読みを正確にする方法として、「飛び石」(Stepping stones)の方法を紹介している。 どういう方法かというと、2、3手読んだら、その時点での局面を頭に焼き付け記憶し、ヴァリエーションの検討をそのポジションから始めていくというもの。 一気に5、6手読むと混乱しやすいので、2、3手先の局面を頭の中で固定化し、そのポジションから検討していけば良いのだとする。<br />
<br />
なるほど、と思えそうだが、できない。 そもそも、2、3手先であっても正確に頭に残すことができない。 もしかしたら訓練したらできるようになるかもしれないが、現状ではできない。 もちろん、おぼろげに2、3手であれば頭に残るが、例えばそれが8手のタクティクスとかだったら、5、6手あたりでどんどんと不明確になる。<br />
<br />
ということで、視覚化を明確にすることができれば、Tisdallの主張するような方法で正確に読みができそう。 同時に、それができるようになればタクティクスもゲームもかなり良くなりそうな気はする。しばらくの課題だ。<br />
<br />
読み、視覚化を向上させる方法としては、まずは単純に普段からタクティクス問題などで最後まで読み切る練習をすることが挙げられる。 他には、エンドゲームのスタディ(パズルのように解くことを目的として作られた人為的なポジション)などをやることも良いとされる。<br />
<br />
視覚化を強化することを特化している方法については、hitsujyunさんがかなり詳細にまとめられている(<span style="color: #0000ee;"><u><a href="http://imaging-board.blogspot.jp/">http://imaging-board.blogspot.jp/</a>)</u></span> 他にも、手元に何もなしでできる方法としては、<a href="http://www.braillechess.com/rreid.html">http://www.braillechess.com/rreid.html</a>ここも参考になる。 特に、ナイトでa1からスタートして全マスにナイトを移動させるという方法は結構良さそうだ。 昨日寝る前に試してみたが結構難しい。 本としては、上述のImprove your Chess Now の他にPractical Chess Analysisという本がこのテーマについて扱っている。<br />
<br />
しばらく読みの強化に取り組んでみようかと考えている。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-27096897009127448282014-03-03T23:15:00.003+09:002014-03-03T23:17:35.329+09:00Svetozar Gligoricの曲わりとどうでもいい話。<br />
<br />
ユーゴスラヴィアの伝説的なチェスプレーヤーでグリゴリッチ(Svetozar Gligoric)という人がいた。結構多趣味な人だったらしく、88歳にして初めて自分が作曲した曲をCDとして発売した。88歳のおじいちゃんの曲ということで古めかしい曲ばかりと思いきや・・・ ノリの良い曲がやたら多くて驚いた。なんとラップまである。Youtubeで聴けるのでいくつか紹介してみたい。 聴いてみるとわかるが、とてもじゃないが88歳の曲とは思えない。<br />
<br />
<br />
<iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="//www.youtube.com/embed/EBUg6EX1iG0?list=UUcDY2BTBq13ISd_yxUwFwTA" width="560"></iframe>
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<br />
<iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="//www.youtube.com/embed/5hgWAVQrYSs?list=UUcDY2BTBq13ISd_yxUwFwTA" width="560"></iframe>Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-5660982338275711762014-02-17T13:49:00.003+09:002014-02-19T01:48:13.068+09:00ゼロからはじめるチェス2 上級編 続いて上級編いってみましょう。<br />
<br />
ここからは未到達の部分なので、こうするのが最も合理的で効率的でないか、という推測を述べていくにとどまる。 ということで妄想記事扱い。 <br />
<u><b><br /></b></u>
<span style="font-size: large;"><u><b>目次</b></u></span><br />
<br />
<a href="#a1">第三 上級編(レーティング1700~2000)</a><br />
<a href="#a2">1.タクティクス - なぜ気づかないのか</a><br />
<a href="#a3">2.ストラテジー - Mastering三部作?</a><br />
<a href="#a4">3.エンドゲーム - シルマンシルマン・・・</a><br />
<a href="#a5">4.ゲームの見直し</a><br />
<a href="#a6">5.思考過程</a><br />
<a href="#a7">6.オープニング - やりすぎ注意!</a><br />
<a href="#a8">7.まとめ</a><br />
<a href="#a9">8.実践例</a><br />
<a href="#a10">第四 最後に</a><br />
<br />
<br />
<u><span style="font-size: large;"><b><a id="a1" name="a1">第三 上級編(レーティング1700~2000)</a></b></span></u><br />
<br />
今まで初級・中級・上級という言葉を使ってきたが、一般人レベル、つまりアマチュアレベルでの初級・中級・上級という意味合いであることに注意。 もっと細かく分類すれば、アメリカ的に、初級・中級・上級・エキスパート・CM・FM・IM・GMとなる。<br />
<br />
<b><a id="a2" name="a2">1.タクティクス - なぜ気づかないのか</a></b><br />
タクティクスは解けば解くほど実力があがるというのは事実だと思うが、ある程度のところでこの方法論は限界があると思う。幼いころからチェスをやってる人には必ずしも当てはまるかはわからないが、特に成人になってから始めた場合にはこの問題は顕著。 タクティクスを発見できない理由を、大人の能力である理解力で補う。<br />
<br />
なぜタクティクスが発見できないのかという理由を端的に示すならば、「駒とマスの配置に係るタクティクスに関する情報を把握できていないから」だと思う。 つまり、意味もなく並んでいるように見える駒でも、駒同士の直線関係、駒同士の守りの関係、特定の重要なマスとの駒の直線関係、特定な重要なマスと駒の守りの関係、等々、駒とマスの配置についてのタクティクスに関わる情報が存在する。 そして、それらを意味ある情報としてとらえることができないため、タクティクスに気づかない。 マスターにとっては明確な意味合いをもつ盤面でも、アマチュアにしてみれば意味もなく雑然と駒が並んでいるに過ぎないということになる。<br />
<br />
じゃあ、何をすれば良いのか。 それは、タクティクスの発生する条件を見極める力の向上、あるいは、駒の配置からタクティクス上の意味合いを読み取る能力の向上。この点については、以前書いた記事の「チェスがうまくなるには・・・」シリーズの第四回目で既に詳しく書いてある。<br />
<br />
特に、Understand Chess Tacticsは必読。翻訳英語なので非常に読みづらいが、素晴らしい本であることは変わらない(第三版はどうなっているか知らない)。 Understand Chess Tacticsの著者は、「おっさんになってからチェス始めたけど、わしFMになれました。」という人なので、大人になってから始めた人にとっては参考になるところが多いはず。<br />
<br />
まとめると、Understanding Chess Tactics、また、できれば、Tune Your Chess Antennaを完全に頭にぶち込む。この両書は本当に良書なので(ダジャレではない)、時間をかけて取り組めば効果はばつぐんだ(多分)。やり方は前回の中級編のタクティクスの項の書いた方法と同じ。<br />
<br />
さらに時間があれば、もう一冊ぐらいタクティクス本、たとえば、The Complete Chess Workoutなんかを一冊潰せば十分過ぎるんじゃないだろうか。 <br />
<br />
<b><a id="a3" name="a3">2.ストラテジー - Mastering三部作?</a></b><br />
ストラテジーに関しては、中級編で述べたことを継続するだけで良いように思う。<br />
<br />
ただし、一つおもしろい本がある。Johan HellstenによるMastering Chess Strategyという本。 この本は何よりもまず、掲載ゲーム数が非常に多いという長所がある。また、ゲームの全解説ではなく、重要ポイントに絞った解説なので、サクサク進める。 さらに、テーマ毎に分類されているためパターン認識能力向上に最適。加えて、ChessbaseファイルとしてE-Bookが存在するので(以前の記事で紹介したはず)、高速閲覧が可能。<br />
<br />
ポルガー三姉妹の親父のLaszlo Polgarが出版した「Chess Middlegames」という、チェスのタクティクス・ストラテジー・エンドゲームの要素ごとに4000ポジションぐらい分類したトンデモ本が存在するが、それをずっとアップグレードしたバージョンという感じの本。<br />
<br />
ちなみに、この本はMastering Opening Strategy, Mastering Endgame Strategyとしてシリーズが存在するのでGOOD。 ある程度マスターのゲーム集をやったら、このMastering三部作をやるのが、数をこなすという意味では一番効率的のように思える(これはただの私見かつ個人的推測なので、信ぴょう性なし)。<br />
<br />
<b><a id="a4" name="a4">3.エンドゲーム - シルマンシルマン・・・</a></b><br />
何も考えずにシルマン本で良さそう。<br />
<br />
ただし、理論的なエンドゲーム(theoretical endgame)、すなわち、勝つか負けるかドローになるか理論上定まっているポジションは一定数暗記しておくべきというのが半ば通説。 なので、エンドゲームをモリモリやりたいなら、de la Jesus Villaの「100 Endgames You must know」を完璧にできたら理想かもしれない。あるいは、Pump up your ratingにも100個のエンドゲームリストがある。 とはいえ、真剣な人以外は不要だと思う。<br />
<br />
また、 Mikhail ShereshevskyによるEndgame Strategyもやたらと評判が良い。 人によってはエンドゲームの必読書に挙げている。悪い評判は聞かないのでできたらベストなのかもしれない。 ただし、もしかしたら、上記のMastering Endgame Strategyで代替できるかもしれない。 これは両方共読んでないためわからない(要検証)。<br />
<br />
とはいえ、多分chess.comで1800とか1900とか2000とかのレベルだったら、そんな知識のレベルまでは要求されていなさそう。やはりシルマン本に絞るのが妥当か。<br />
<br />
<b><a id="a5" name="a5">4.ゲームの見直し</a></b><br />
これは続けるべき。繰り返しになるので省略。<br />
<br />
<b><a id="a6" name="a6">5.思考過程</a></b><br />
同上 <br />
<br />
<b><a id="a7" name="a7">6.オープニング - やりすぎ注意!</a></b><br />
オープニングが一番の課題。 上記1~5については、おそらく誤ったことは書いていないと思うが、ここはいろんな意見があるところなので、一つの意見と思って読んでほしい。私自身の個人的考えの色合いが強いので、必ずしも参考にする必要はない。 <br />
<br />
なお、Pump up your Ratingのオープニング学習の項は、Chessbaseを使用することを前提に書かれているため非常に参考になる。また、John WatsonのMastering the Chess Openingsの第四巻の最後にあるコラムも具体的なオープニング選択の目安として実力毎に分類してくれているので参考になる。さらに、真っ当な成功法かつ一般的なオープニング学習に関する意見が集約されている本としては、Steve GiddinsのHow To Build Your Chess Opening Repertoireが参考になる。<br />
<br />
<u>(1)やっぱりやりすぎない</u><br />
オープニングは時間をかけようと思えば無限に時間がかけられる。実際、マスター達はほとんどの学習をオープニングに割いているらしい。 事実、オープニング学習って夢があって結構楽しい。「ほうほう、これが最新のラインで・・・何・・・2013年でこんなラインが・・・ふむ・・・」なんていう自己満足に浸るのには最適。 挙句の果てには「わしのオープニング・プレパレーション♡」なんてものまで作りかねない。<br />
<br />
が、もちろんこんなことはやめた方が良い。時間がかかるのならばなおさら極力時間をかけない方が良い。 ということで、基本的な方針としては同じで、複雑過ぎるラインは選択しない。 例えば、白1.e4ならルイ・ロペスのメインラインまっしぐら、フレンチのWinawer、カロカンのアドヴァンス・ヴァリエーションの複雑なやつ、オープン・シシリアンの複雑なライン、等々は複雑かつかかる労力がかかりすぎる。 何よりも、費用対効果での見返りが少なすぎる。<br />
<br />
なので、やっぱり時間をかけたくないなら、複雑なオープニングは避けるべき。 ただ、もっと上を目指すのならば、後々のことを考えてメインラインを選んでいくというのが良いだろうし、それが一般的な見解でもある。 メインラインを学んでこそチェスの理解が深まるという意見は根強い。 しかし、あくまでも趣味の範疇でとどめ、かつ、少ない時間で早く上達することを目的とするなら、オープニングに多くの時間を割くべきではない。そして、この考えに従うならば、複雑なメインラインに従うのは避けた方が良いということになる。 ただし、時間の兼ね合いで時間がある人は自由に選んだら良いと思う。<br />
<br />
<u>(2)オープニング本に要注意</u><br />
オープニング学習でハマってしまう罠として、オープニング本はやたらと魅力的な本が多いというのがある。 「Killer Opening...」 「Explosive Opening...」「Strategic Opoening...」「Mastering....」等々魅力的な題名+宣伝文句で、あの手この手でアマチュアを籠絡しようとしてくるのがチェス本出版社。 題名+宣伝文句+できそうなプレイヤーによる高評価レビュー、そんなものが揃えば、「わしもこれやったらチェスうまくなるかもしれない・・・」と思える。<br />
<br />
・・・が、基本的にオープニング本に期待してはいけない。オープニング本には二つの類型がある。一つは具体的なラインが書かれたレパートリー本、もうひとつはゲーム掲載本。 特に前者はアマチュアには基本的には不要だと思う。 買うとしたら、後者のタイプ、かつ、タクティクスのアイデア、ストラテジーのアイデア、等々が明確に紹介されているものに限るべき。<br />
<br />
なぜ、前者のタイプが不要かというと、そもそも紹介されているラインを全部自分のレパートリー化することは現実的に不可能であるという点(もちろん膨大な時間があれば可能かもしれない)、また、暗記もおそらく不可能であるという点が挙げられる。<br />
<br />
そして、何よりも現代においては、Chessbaseといったデータベースが存在するので(しかも、勝率、近年でプレイされている割合等の情報付き)、そんな紙媒体の完全レパートリー型の本の意義は限りなく小さい。 参照するとしても、あるラインを検討しているときに意味がわからない、といったときに辞書として見るぐらい、あるいは、面白いアイデアが紹介されているか確認する程度の扱いにとどめるべき。 逆にそういう意味では使えるとは思う(例えば、John WatsonのPlay the French)。 通読して全部暗記を試みるのはアマチュアにとっては無駄かつそもそも現実的に不可能なのでやめておいた方が良い。<br />
<br />
<br />
ちゃんと読んでないから偉そうに言えないけれど、最近Everyman Chessから出ているMove by Moveシリーズは一手一手解説してくれているので良さそう。また、ストラテジー、典型的なタクティクス等の解説もあったりする。 また、手に入れるのが若干難しいが、Mastering The French, Mastering the Spanishといった本は、ポーン・ストラクチャーに即して、アイデアについてメインに書かれているので良い。
<br />
<br />
<u>(3)じゃあ、何するの</u><br />
じゃあ、何するのかといえば、ある程度は自分のラインを確立して相手がやりにくいラインを模索するのが重要だと思う。 そして、その作業は基本的には基本的なアイデアが紹介された簡単な本+Chessbase等のデータベースによるオープニング構築作業で十分。<br />
<br />
例えば、フレンチのエクスチェンジ・ヴァリエーションを例にとると、黒側でやってみると非常にやりやすいというのがわかる。実際に、例えばchess.comのデータベースで見れば、エクスチェンジ・ヴァリエーション(1.e4 e6 2.d4 d5 3.exd5)の勝率は、白21.5%、ドロー52%、黒26.5%と黒が高い始末。 シンプルなオープニングは相手にとってもシンプルなので、数を多くこなしている黒の方がやりやすいなんてことになる。<br />
<br />
そして、ある程度のレベル以上になると、相手にとってやりやす過ぎるラインばかり選択すると苦しくなるのは事実。そういうときは、できるだけ、相手にとってやりにくそうなラインを選択していくのが一つの方法。 データベースの勝率が一つの目安になる。<br />
<br />
例えば、フレンチのエクスチェンジで、Monte Carlo Variationというのがあるらしい(1.e4 e6 2.d4 d5 3.exd5 exd5 4.c4 Nf6 5.Nc3 Be7 6.Nf3 O-O 7.Bd3 ) 。 フレンチというか1.d4のオープニングのような形になるが、勝率は白53.7%ドロー29.6%黒16.7%とやたらと勝率が高い。 勝率が高いということはフレンチ・プレイヤーにとってやりにくいラインではありそうである。(とはいいつつも、Monte Carlo Variationについて無知なので、実際この勝率がどの程度の意味合いがあるかは知らない)<br />
<br />
こういう作業を通じて、自分なりのラインを作っていくのはなかなかに良い案だと思う。 「オープニングがダメだ!→最近発売された白レパートリー本を丸暗記しよう!」なんていう単細胞的方法を採るよりはずっとマシではあることは確か。 ただし、あまりにもマイナー過ぎるオープニングだとアイデアも理解できないままプレイしてしまうことになるため、良くない。ある程度情報が集まるオープニングが望ましい。要するに、ライン構築作業はデータベースで自分で構築、アイデア等は書籍等(あるいはDVDも)で学習、と分担する。 <br />
<br />
時間がかからない(キーボードの↑↓→←を押しまくるだけでライン構築可能)、おそらく相手も大して知らないだろうから労力をかけすぎる必要がない、というのは大きい。 勝ちに行くためには相手の嫌なことを労力をかけずに行うのがベスト。 ただし、こういう方法だけで上のレベルまでいけるかは不明。 とはいえ、それ以上を目指すのは本当に真剣にチェスをやっている人ぐらいだと思う。 また、自分のラインを構築する際の具体的方法論については、Pump up your ratingが詳しい。<br />
<br />
もしやる気まんまんならば、例えば、Chessbaseで発売されているMegadetabase等を購入して、自分が選択したラインのマスターのゲームを自分なりに分析していく作業はおそらくかなり有益。Megadetabaseには玉石混交ではあるが(アマチュアにはよくわからないという意味で) 、ゲーム解説がついたゲームが6万個ぐらい収録されている。それらを一つの参考として自分なりに分析作業を加えればベスト中のベスト。 アイデア等も理解できるはず。 ただし、相当時間はかかる。 もちろん、既に当該ラインに関するゲーム本があるならば、それを利用した方が良い。<br />
<br />
<u>(4)オープニングが決まらないときは</u><br />
あまり考えすぎは良くないと思うが、オープニングが決まらないときは、Chess.comのForum等で質問するのも良い。フレンドリーに書いたら、上手いプレイヤーが懇切丁寧にアドバイスしてくれることもある。<br />
<br />
また、簡潔なオープニング本として「Understanding the Chess Openings」という本があるので、各オープニングの特徴をつかむためには使えるかもしれない。ただし、薄すぎるのでそれ以上の使い道はなさそう。 <br />
<br />
<u>(5)まとめ</u><br />
具体的な方法論としてまとめるならば、①データベースで相手のやりにくそうなラインを選択、②当該ラインについて本があれば本でアイデア等を学ぶ、③時間があれば自分用のラインを栽培する、気になるところがあればレパートリー本等で説明があるかチェック④やる気がもりもりなら選択したラインのマスターのゲーム自己分析あるいはゲーム本の参照、ということになる。<br />
<br />
<b><a id="a8" name="a8">7.まとめ</a></b><br />
上記すべてをまとめれば、①タクティクスは、タクティクスの構造理解+演習本一冊完璧化。②ストラテジーは原則として従来通りの方法。ただし、Masteringシリーズが吉かもしれない。③エンドゲームはシルマンが基本で、やる気があれば理論的ポジションやエンドゲーム・ストラテジーをおさえる。④オープニングはほどほどに。ただし、相手が嫌がるような自分のラインを作る。やる気もりもりなら選択したラインのマスターのゲームを自分なりに分析する。ということになる。<br />
<br />
<b><a id="a9" name="a9">8.実践例</a></b><br />
中級編と同じく一時間をとれたとしたら、やはりタクティクス15分、ゲーム+ゲームの検討45分がベストだと思う。ストラテジー、エンドゲームは暇があるとき、週末にやるぐらいか。 90分なら、まずはエンドゲームを潰してしまい(シルマン本のAまで、余力があればエキスパートまで)、その後ストラテジーとオープニングを交互に30分という感じか。 具体的な時間配分は前回の中級編参照。<br/>
<br/>
また、中級編で書き忘れていたが、たまには長い時間のゲーム(例えば45/45や30/30)をするのはかなり重要のようだ。長い時間をかければかけるほど思考過程に意識することもできるし、自分のゲームの記憶は残りやすく、それゆえにミスの記憶も残りやすい。当然、ゲームの見直しは必須。 <br />
<br />
<span style="font-size: large;"><u><b><a id="a10" name="a10">第四 最後に</a></b></u></span><br />
<br />
以上が、今私が知りうる限り、また、考えるうる限り最も効率的な方法になる。 ただし、方法論自体よりも、最も重要な点は、意識的な学習を繰り返したかどうか、また、いかに無駄を省くかにかかっている。 それさえできていれば、明らかに誤った方向に進まない限り、大して効果は変わらないというのが真実だろう(多分)。 これはチェスに限らず、どこの分野でも同じだと思う。 正しい方向性と正しい努力というやつ。<br />
<br />
前回の記事の最後でも書いたが、絶対に気をつけるべきは、①オープニングやり過ぎない、②ゲームの見直しはする、③タクティクスを軽視しない、④やることを明確に絞って手を広げない、ということだと思う。 これさえ守って、意識的な学習を繰り返して、かつ、それを継続することができれば、上達しない理由がないのではないか。<br />
<br />
もっとも、今まで述べてきたような方法はできない人も多いとも思う。 第一ハードルが、意識的な学習はするのが大変だということ、第二ハードルが継続の難しさ。 これは、どれだけ意気込んでも難しい。 逆に、意志力のある人にとっては大して難しい話ではないかもしれない。 もっとも、時間を大してかけない、例えば、一日1時間、90分ぐらいなら、実践できるかもしれない。 これを2時間、3時間とか実践することができる人がいたら、かなり上達するのではないかと思う。 誰か実践してみて結果が出た!なんてことになったら、レポートしてください。<br />
<br />
<br />
参考になれば幸いです! Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-19446487666971829952014-02-17T00:21:00.002+09:002014-03-03T18:12:45.151+09:00ゼロからはじめるチェス1 初級・中級編 前回の記事で紹介したPump up your Ratingの中で、Talent is Overrated(直訳すれば「才能は過大評価されている」)という本が紹介されていた。興味があってKindleで買って飛ばし読みしたが、結構面白かった。それも踏まえて、ゼロからチェスを始めた場合、合理的で効率的な上達法とは何なのかを考えてみたい。<br />
<br />
上達法関連の本はやたらと多いが、重要な部分は共通する。 それらをまとめる意味も含めている。 ただし、単なるアマチュアの一意見なので、信ぴょう性は保証できない。ただ、上達関連の本等は無駄にたくさん読んではいるので、そういった知識の総体という意味では、間違ったことは書いていないはず(多分)。 むしろ、以下で書いていることは、今まで読んだ本・記事等で知ったことをまとめたものに近い。<br />
<br />
また、以前に「チェスが上手くなるには・・・」というシリーズも書いたが、いくつかの点で変更点がある点と、実力の段階に応じてまとめたという点で多少趣が異なる。 「チェスが上手くなるには・・・」のシリーズでは、個別のテーマで詳しく述べてあるので、このうさんくさいヘボブログのブログ主の言うことをちょっとは聞いてやろうかと思ったなら、そちらも参考にすれば 、ちょっとはためになるかもしれない(多分)。まあ、話半分、眉唾もので読んでもらいたい。<br />
<br />
さらに、できるだけ合理的な方法論を考えるというコンセプトなので、「もはや勉強」という感じもする方法になった。 ただし、従ったら確実に無駄は省ける(多分)。 そこまでチェスに必死になるのかという問題はあるが、限られた時間を合理的に使いたい、できるかぎり無駄を省きたい、とりあえず早くうまくなりたい人もいるはずなので一つの試論として書いてみる。 あくまでも理想論としての学習方法なので、もちろん私自身が下記の通りできているというわけではない(できていたらもっと上手い)。<br />
<br />
なお、以下で述べる「レーティング」はChess.comのStandard基準。チェスの強さというのは限られた時間の中で、どれだけの強さを発揮できるかというものだと思うので、通信チェスのレーティングは別のものとして考えている。<br />
<br />
テーマは「時間をできるだけかけず、早く上達する方法」。 ハイパーロング記事なので注意。<br />
<br />
<span style="font-size: large;"><u><b>目次</b></u></span><br />
書き終わって気づけば長くなりすぎたので、目次を作成・・・ <br />
<br />
<b><a href="https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=3889202659869991937#a1">第一 初級編(レーティング~1200)</a></b><br />
<a href="#a2">1.事始め</a><br />
<a href="#a3">2.はじめてみる</a><br />
<a href="#a4">3.チェックメイトの基本的な形をおさえる</a><br />
<a href="#a5">4.1手のタクティクス</a><br />
<a href="#a6">5.初級編まとめ</a><br />
<b><a href="#a7">第二 初級~中級編(レーティング1200~1700)</a></b><br />
<a href="#a8">1.タクティクス再び</a><br />
<a href="#a9">2.オープニング</a><br />
<a href="#a10">3.ストラテジー</a><br />
<a href="#a11">4.エンドゲーム</a><br />
<a href="#a12">5.ゲームの見直し</a><br />
<a href="#a13">6.思考過程</a><br />
<a href="#a14">7.まとめ</a><br />
<b><a href="#a15">最後に これをやると無駄なことリスト</a></b><br />
<br />
<br />
<br />
<span style="font-size: large;"><u><b><a id="a1" name="a1">第一 初級編(レーティング~1200)</a> </b></u></span><br />
<br />
<b><a id="a2" name="a2">1.事始め</a></b><br />
まずは、ルールを覚える。特にアンパッサンなどは忘れやすいので注意。この点については、「チェス入門」がわかりやすい。<br />
<br />
<b><a id="a3" name="a3">2.はじめてみる</a></b><br />
まずはゲームに慣れること。ルールを覚えたら試合数をこなす。 最終目的はチェックメイト、中間目的は駒得なので、とりあえずは駒をとることが目的にする。 ゲームをすることやはり一番上達につながるので、本など読まずゲームをする。<br />
<br />
プレイする場所は、chess.comがベスト。ICCはうまくなってからで良いと思う。各チェスサイトの特徴は以下のような感じ。<br />
<br />
<u>chess.com</u> : 現在もっとも勢いのあるサイト。プレイヤーが多く、タクティクス問題、みんなのブログ記事、マスター達の記事、議論ができるForum、等々、相互交流も図れる。 また、プレミアムメンバーになるとビデオ閲覧、タクティクス問題がたくさんできる、等々の特典あり。 ただし、どうしてもビデオが見たい、どうしてもChess Mentorやりてえ、なんてことがない限り、★会員で十分。<br />
欠点としては、チーター率が結構高い、ある程度上のレベルになるとプレイヤーが少なくなる、といったもの。 ただ、これから変わっていきそうな気もする。<br />
<br />
<u>ICC</u>:昔からあるところ。 特徴はマスターが多くプレイしているため上位層が充実していること。また、ウェブサイトではなくソフトで動作するところなので、噂によるとチェス・エンジンを起動しているとチーターとして検挙されるらしく、チーターは少ないらしい(以前どこかの記事、あるいは以前のブログでこの点については扱った)。 ただ、有料会員登録しない限りプレイできないので若干排他的。そのうち、chess.comに負けそうな予感。<br />
<br />
<u>Chesscube</u>: 変なポイントシステムが導入されていて面倒くさい変なサイト。ビデオ閲覧機能等も実はあったりするが、全てにおいて半端。レーティングの初期設定が高いこと、初期補正がないため、レーティングが全体的に高く、高レーティングを得てホクホクできることが利点か(今はどうなってるかしらんけど)。<br />
<br />
<u>Lichess</u>: シンプルイズベストな場所。機能はあまりないが、登録も簡単、サイトも見やすい、プレイヤーもそこそこいる。 なので、プレイするには良い場所。<br />
<br />
<u>チェス入門の対局場</u>:日本語なのでわかりやすい。いつもある程度は人がいる。場合によっては上手な人に教えてもらうことができる等の利点がある。 ただし、チーターがそこそこいる、プレイヤーの絶対数が少ない、といった欠点がある。 ただ、このサイトの最大の長所は対局場というよりも、初級者用の基本講座。 手とり足とり教えてくれるので、まずはここから。<br />
<br />
<br />
<b><a id="a4" name="a4">3.チェックメイトの基本的な形をおさえる</a></b><br />
しばらくやってみたら気づくのは、チェックメイトが結構難しいこと。 特に、ルーク+キングのチェックメイトでもやり方を知らなかったら、延々とキングを追いかけまわしてドローなんてことになりかねない。 なので、基本的なチェックメイトの形を覚える。<br />
<br />
本としては、「Checkmate for Children」が簡潔かつわかりやすくベスト。 邦書なら「チェックメイトの技法」がある。ただし、結構分厚い。 チェックメイトのために長い本なんて読んでられねえ、という場合には、Pandolfini's Endgame Courseの最初の数十問を解くだけで十分。 あるいは、Wikipediaの「Checkmate」のページだけでもおそらく十分。 <br />
<br />
<b><a id="a5" name="a5">4.一手のタクティクス</a></b><br />
駒取りを目指すといっても、相手もそう簡単にとらせてくれない。そこで、タクティクスの出番。 いわゆるフォーク、ピン、スキュアー、といったもの。 基本的な点については、やはり「チェス入門」でわかりやすく紹介されている。<br />
<br />
タクティクスは基本形を完全に理解するのが最も重要。 もっとも、市販の本は難しいものが多い。 そこで、まずは、一手のタクティクスを理解する。<br />
<br />
<a href="http://www.entertainmentjourney.com/index1.htm">http://www.entertainmentjourney.com/index1.htm</a><br />
<br />
一手問題に関しては、この「How to get to 1900」というサイトに無料で問題が掲載されている(ページ中頃にある「White/Black to move and win in 1 move」)。 これを印刷する。 非常に簡単なので、15分もあれば30問ぐらい解けるはず。 3周ぐらいして、完璧にするのが理想。 具体的な方法論については、下記の中級編のタクティクスの項を参照。<br />
<br />
ちなみに上記サイトでは、2手問題、3手問題もある。 チェスに金なんてかけられてらんねえ!という人は、下記の中級編におけるタクティクスの代替の問題集としても2手・3手問題を使える。 <br />
<br />
(追記)書くのを忘れていたが、「どうしたらチェスできみのパパに勝てるか」と「チェス 魔法の戦術」は両方共基本的なパターンを押さえ、かつ、問題数も少ないので非常にオススメ。
<br />
<br />
<b><a id="a6" name="a6">5.初級編まとめ</a></b><br />
多分、上記のことが初級(レーティング1200ぐらいまで)を抜け出す最短ルートの一つではないかと思う。 まとめれば、①ゲームを継続して行う、②タクティクスの一手問題が確実に解ける、③チェックメイトができる。 総時間として大したことはないはず。 <br />
<br />
<span style="font-size: large;"><u><b><a id="a7" name="a7">第二 初級~中級(レーティング 1200~1700)</a> </b></u></span><br />
ちなみに、中級編が1700区切りなのは、私自身のchess.comのStandardのMAXが1720ぐらいだったので、それ以上のことはわからないため。とりあえずの区切りとして1700とした。 実際は、1800ぐらいまでが中級編の範疇になると思う。
<br/>
<br />
<b><a id="a8" name="a8">1.タクティクス再び</a></b><br />
<u>(1)タクティクスの重要性 </u><br />
なんだかんだ言って、レーティングが2000ぐらいまではタクティクスタクティクスタクティクスだと思うので、タクティクスは続ける。この段階では一冊を完璧にするのが目標。 具体的には、やる気満々なら1001問が収録されている、「1001 Chess Exercises for Beginners」がベスト。 そんな大量にやるのめんどいという場合は、500問程度の「Chess Tactics for Champions」または600問程度の「Learn Chess Tactics」が良書。<br />
<br />
(追記)Dan HeismanのBack to Basics : TacticsもGOOD。 特に初級者~中級者に向けて書かれており、メイトのパターンが掲載されていること、各タクティクスのモチーフについて解説が丁寧にされていること、また初級者がミスしがちなCounting(駒を取って取られて・・・という駒交換の計算のミス)という概念(Dan Heismanが考案らしい)について詳しく説明されていること、という点が特に優れている。 問題数は600問程度(たしか)だったと思うので量としてもちょうど良い。
<br />
<br />
例えば、chess.com、Chess Tempo、Chess Tactics Server等でネット上のタクティクス問題もあるが、繰り返しがしやすいという点において本の学習に軍配が上がる(ただし、Chess Tempoの有料版は除く)。<br />
<br />
<u>(2)具体的なやり方</u><br />
いずれの本を選ぶにせよ、完璧に「潰す」ことが最重要。 時間を省く、タクティクスを覚えこませるという目的からすれば、一定程度の数の問題を完全に理解していることが重要。 実際、一日10問ぐらいでも2、3ヶ月で終わる。<br />
<br />
合理性・効率性を追求するならば、次のような手順でやるべき。<br />
<br />
①実際にゲームで出会った局面であるかのように、最後まで「読み切る」。わからなくとも、手は選んで読む。<br />
②解答を確認し、わからなかったらなぜ気づかなったか理解するよう努める。<br />
③解いた問題に日付を記入。1日後、1週間後、3週間後、1ヶ月後、等決められた周期で復習する。 復習の際には高速で、しかし、読み切る作業は怠らない。<br />
<br />
集中して解くこと+繰り返しが肝。 もはや勉強みたいになってしまうが、一冊終わった後に繰り返すことから比べれば遥かに頭に残るし、時間も大幅に削減できる。勉強法等では一般的な方法だが、「Talent is overrated」でもやっぱり重要だと書かれていた。<br />
<br />
どの分野でも上達しないことを時間がないということを言い訳にする人は多いが(まあ、それは私のことなんですが) 、上達の差を分けるのは時間ではなく、どれだけ「意識的な練習」を「繰り返した」かによる。 この方法に従えば、確実にタクティクスは向上すると思う。 そして、かける時間は一日15分ぐらいでも十分だと思う。<br />
<br />
<b><a id="a9" name="a9">2.オープニング</a></b><br />
<u>(1)オープニングはほどほどに</u><br />
<br />
私自身もオープニングをいろいろ調べたが、この段階ではあまり意味がないというのが私自身の結論であり、チェス学習の通説的な考え方。 要するにオープニングについてあれこれ調べたことは、上達に資しないという意味では、途方も無い時間の無駄だった。<br />
<br />
とはいえ、全く知らないというのもアレなので、オープニングの種類にもよるがメインラインの10手手ぐらいまでは知っておいた方が良い。また、オープニングを学習する際には分岐点(Tabiya)を意識する。 20手ぐらいまで「一般的に」覚えるのは完全なる時間の無駄と思った方が良い(ゲームの検討の過程でヴァリエーションを検討することはあると思うが)。<br />
<br />
また、オープニングの選択については、一つのラインをひたすら極め続けるか、複数のラインを覚えていくかという問題がある。 しかし、よほど時間がある場合でない限り、オープニングを突き詰めるなんてことは無理なので、 この段階では特に気にせず気に入ったオープニングを選べば良い。<br />
<br />
さらに、できるかぎりシンプルなオープニングが良い。 仮にもっとうまくなって上級者になればその段階ではオープニングの知識も増えてくるだろうし、自分のスタイルもできてくるはずで、その段階でこそオープニング選択は真剣に考えれば良いし、その段階でこそまじめにオープニングを構築すべき(多分)。 なので、あまりオープニングをどれにするかという点について考えまくるのはよくない。 そもそもオープニングの優劣の「せい」で負けるなんてことはないはずなので、なおさら。<br />
<br />
<u>(2)負担の少なそうなオープニングの例 </u><br />
シンプルなオープニングと言われても・・・と思われると考えられるので、例を挙げてみたい。<br />
<br />
例えば、<br />
<br />
白1.e4なら・・・ <br />
・オープンゲーム(1...e5)に対してはイタリアン(Bc4)、<br />
・フレンチ(1...e6)に対してはエクスチェンジ・ヴァリエーション<br />
・カロカン(1...c6)に対してもエクスチェンジ・ヴァリエーション<br />
・シシリアン(1...c5 + d6)に対してはBb5の系統のロッソリモまたはモスクワヴァリエーション<br />
・シシリアン(1...c5 + e6)に対しては、キングズ・インディアン・アタック <br />
・モダン・ピルツ( 1...d6/g6)に対しては150 Attack<br />
<br />
黒なら・・・<br />
1.e4,d4,c4全てに対して1...e6(フレンチ、クイーンズ・ギャンビット・ディクラインドになる。QGDのメインラインはTartakower Variation)<br />
<br />
等々が比較的負担が少ないオープニングといえるかもしれない。ただし、覚える量が少ないからといってプレイするのが簡単というわけではないが(例えば、KIA、ロッソリモ等)。<br />
<br />
<u>(3)調べもの、オープニング維持のために</u><br />
具体的なオープニングについては、Fundamental Chess Openings(FCO)で調べるのがベスト。辞典のような本だが、オープニングのアイデア等々についても説明されていてわかりやすい。また簡潔。この段階ではこれ以上の知識は不要。不要!<br />
<br />
また、オープニングについては、Chessbase社のChessbaseというソフトがあればベスト。 これがあれば、オープニングをデータベースとして保存されるし、気になるところは内蔵のオープニングツリーで続きのヴァリエーションが保存できる。 ゲームを終えた後に、新たに気づいたラインを追加することもできるし、ヴァリエーションの中にコメントを入れることもできる。 ただ、Chessbaseは使い方がわかっていないと、慣れるまで使いにくいソフトなので慣れるには時間がかかるかもしれない。<br />
<br />
なお、オープニングソフト関連は、なんたらWizard、なんとかposition trainer、等々いろんなソフトを試してみたが、Chessbaseがどう考えてもベストなので、オープニングソフトとしては他のソフトを検討する必要はない(人柱)。なので、何も考えずにChessbaseを使用するのがベスト。<br />
<br />
<u>(4)まとめ</u><br />
仮に、ChessbaseとFCOがあるならば、オープニングの学習は次のような感じになる。 ①ゲームをする、②ゲームの見直しをする過程でヴァリエーションをチェック、③気になるならFCOで当該ヴァリエーションを検討、④データベースに保存。<br />
<br />
ということで、オープニングを個別に学習する時間はとる必要はないというのが結論。<br />
<br />
<b><a id="a10" name="a10">3.ストラテジー</a></b><br />
ストラテジーとは直訳すれば「戦略」で、チェス上のより具体的意味では、アウトポスト、オープンファイル、各駒の特性、等々の戦略上重要な概念を利用して、有利にチェスの試合を進めていくための知識のこと。<br />
<br />
まずは、アウトポスト、オープンファイル、ウィーク・スクウェア、バックワード・ポーン等々の概念を理解することが出発点。 中身が詰まった本ではないが、PandolfiniのWeapons of Chessで概念の説明がわかりやすくされている。 スッカスカの本なのですぐに読める。<br />
<br />
一般的に、ストラテジーの学習のためにはマスターのゲームを学習することが良いとされている。 具体的には、<a href="http://home.comcast.net/~danheisman/Events_Books/General_Book_Guide.htm">http://home.comcast.net/~danheisman/Events_Books/General_Book_Guide.htm</a>、ここのページの最下部にある「Recommended Instructive Game Anthologies」 というところにあるような本が一般的には定評がある本。<br />
<br />
ただ、この段階においては、ストラテジーもゲームの結果を左右する最重要の要素というわけでもないので、時間をかけるべきではない。やるとしても一冊ぐらいを丁寧に「完璧に」つぶすことが必要十分。 具体的には、「50 Essential Chess Lessons」が超簡潔なので良い。 とりあえず、一冊を丁寧に潰すこと。 それ以上の知識を持っているプレイヤーはこの段階ではこのレベルでは99%いないし(半端な知識をもったプレイヤーは私みたいなのがウジャウジャといるが)、それ以上の知識も不要。<br />
<br />
もっとも、時間が有り余って仕方ないぜ!という人は、どんどん進んで行った方が良いと思う。できるだけ多くのゲームに触れた方がパターン認識の観点からは理想的なので、一日一ゲームなんていうのも良いかもしれない。 そうはいっても、学んだことは必ず復習して、学んだゲームのコンセプト、何がポイントか、何を学べたか、等々はちゃんと頭に残る形にしておかなければならない。 一回やったぐらいでは、よほど真剣に考えたのでもない限り無駄。無駄! 仮に一日一ゲームを見る時間が確保でき、合理的グルグル復習サイクルを取り入れることができたら、一年間でかなり成長しそうな気はする。<br />
<br />
具体的な学習手順としてはタクティクスの項で述べた方法が理想的。 <br />
<br />
<b><a id="a11" name="a11">4.エンドゲーム</a></b><br />
エンドゲームはポーンエンディングの基本的な形を理解していることがまずは最重要。何より登場確率がもっとも高いため。 といっても類型は非常に少ないため一瞬で終わる。基本の基本は2時間あれば終わる。 また、ルークエンディングをいくつかやる程度。それだけ。 無駄に難しい割に出現機会のないエンドゲームはやるだけ無駄。そもそも、そんなエンドゲームは100回のうち1回ぐらいしか現れるかどうか。<br />
<br />
具体的な本としては、Silman's Endgame Courseを自分の能力に合わせてやるのが良い。レーティング別に本が分かれているのが良い。 アメリカで有名なチェスコーチでもあるジェレミー・シルマンが、この程度の実力ならこの程度のエンドゲームの知識で十分とセレクトしたものが掲載されているので、あまり考えずに従っておいて良い。<br />
<br />
多分、Bクラスぐらいまでやれば超十分といえるほど。 説明がやたら詳しいのもGOOD。 各レベルごとに進んでいくのであれば、大した量ではないのですぐに終わる。 「これで足りないんじゃないか・・・」と思ってしまいそうになるかもしれないが、それは「足りない症候群」という危険な徴候なので注意。何も考えずに、マシーンのようにシルマンにヘーコラ盲従しておくのが吉。<br />
<br />
ちなみに、初学者向けとしてPandolfiniの本も有名だが、①説明が場合によっては適当すぎること、②必ずしも重要度に応じて進むわけではないこと、③誤記が多すぎること(ネット上で一応は正誤表が存在するが)、等の理由のためオススメできない。特に①②がダメ。ただし、最初のチェックメイトの項はまとまっていてわかりやすいかも。シルマン本がある以上、あえて使う必要性のない本。<br />
<br />
あれこれ手を伸ばさず、シルマン本一冊を自分の実力に応じてやるというのがベストというのが結論。また、理想的には、上記タクティクスで述べた学習手順に従うのがベスト。<br />
<br />
<b><a id="a12" name="a12">5.ゲームの見直し</a></b><br />
以上、タクティクス、オープニング、エンドゲームについて述べたが、一番伸びを早くするのは自分のゲームの見直しだと思う。 具体的な手順については「チェスが上手くなるには・・・」の中のゲームの見直しの記事を参考にしてほしい。<br />
<br />
さらに付け加えるとしたら、今回読んだPump up Your Ratingに書かれているように、ミスを類型化して記録していくという方法はかなり効果的(推測)。 また、同書によれば、できる限り最初はソフトの手を借りずに自分で分析をし、最後にソフトでチェックするのが良いとしている。<br />
<br />
なお、ミスの類型化というのは、例えば以下のようなもの。このように類型化しておけば、自分がどこでミスをしがちなのかを理解できるし、次からそのミスをしないように気づくことができる。 ミスをなくせば、それだけ上達できる。逆に言えば、自分の典型的ミスを除去することができなければ、どれだけ本を読もうが絶対にあるラインから上へと上達することはできない(ほぼ通説)。<br />
<br />
<br />
<div style="text-align: center;">
<b>タクティクス</b></div>
<div style="text-align: center;">
ナイト・フォークに気付かなかった 2</div>
<div style="text-align: center;">
クイーン・キングのスキュアーに気付かなかった 1</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<b>ストラテジー </b></div>
<div style="text-align: center;">
相手のポーン・プロモーションに気づけなかった 3</div>
<div style="text-align: center;">
オープンファイルを有効活用できなかった 4<br />
アウトポストの不活用 2 </div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<b>エンドゲーム</b></div>
<div style="text-align: center;">
ポーン・エンディングの基本形で失敗 2</div>
<br />
<br />
<b><a id="a13" name="a13">6.思考過程</a></b><br />
思考過程については、「チェスが上手くなるには・・・」シリーズの第一回・第二回目で述べたので参考にしてほしい。 ただ、大幅な変更点がある。 それは、思考過程の枠組みをプログラム化して、毎回手を検討する際に意識をするのはおそらく無駄な試みなので、やめておいた方が良いということ。<br />
<br />
例えば、第二回の記事で以下のようなDan Heismanが書いていた思考過程を紹介した。<br />
<br />
<i>①相手の脅威の確認。特に、強制手順(forcing moves)の検討。<br />②相手のとりうるプランの確認。 自分のプランの確認。<br />③ 無条件にforcing movesは最初に全て検討。<br />④③でタクティクス等がなければ、自分のプランを達成させる手を「全て」チェック。なければ、相手のプランを阻害する手を全てチェック。(Initial Candidate Moves)<br />⑤④における手を、安全か(blunderに至らないか)どうかという観点から、剪定する。<br />⑥⑤において残った手の中から、最終ポジションの比較によって最も優れているものを選ぶ。(Final Candidate Moves)</i><br /><br />
こんな思考過程をいちいち実践するのは不可能であるし、現実的ではない。また、そんな都合よく頭はできていない。 なので、<u>こんなリストは作らなくていいし実践する必要もない</u>。<br />
<br />
では、どうすれば良いか、これもPump up your ratingに書かれていた方法を参考にした方法だが、<u>一つの思考過程のテーマをしばらくの間のゲームのテーマとする</u>ことによる。<br />
<br />
例えば、「いつも浮き駒でタダ取りされてしまう」という問題点があるとする。 そうであれば、しばらくの間は「自分の駒で浮き駒がないかをチェックする」を思考過程の至上命題として、ひたすらそれをゲームで実践し続ける。 これをしばらく続ける、そうすると繰り返し意識することにより、それが無意識で実践できるようになる(らしい)。<br />
<br />
なので、 無理に思考過程のプログラムなど作らず、一つ一つ実践して、無意識にぶち込んでいくのがベストと思う。<br />
<br />
ちなみに、身につけておくべき思考過程におけるチェックポイントとして、一般的に言われているものとしては以下のようなものがある。<br />
<br />
①手を打つ前に、ブランダーではないかチェック。 <br />
②浮き駒が存在しないか確認<br />
③一手のタクティクスの確認<br />
④相手の脅威の確認 チェック・キャプチャー・スレット(タクティクス等の脅威)<br />
⑤③と関連するが、自分の手番であっても、 「相手の手番だったら何をするか」を確認する。<br />
⑥駒の位置関係の把握(直線関係、駒同士の守りの関係等)<br />
⑦複数の候補手を検討する(candidate moves)<br />
etc...<br />
<br />
<b><a id="a14" name="a14">7.中級編まとめ</a></b><br />
以上まとめるならば、①タクティクスを継続、②オープニングは見直しの際にチェックする程度、③ストラテジーもやりすぎない、一冊で十分④エンドゲームはシルマン本だけ、⑤ゲームの見直しはする、⑥思考過程はテーマを決めて実践する。 <br />
<br />
例えば一日にチェスに当てられる時間が1時間とした場合、タクティクスに15分、ゲームに45分(検討含む)。 週末にストラテジーとエンドゲーム学習をちびちびやる程度で十分。 例えば、ストラテジー本として「50 Essential Chess Lessons」を選ぶなら、週に2ゲームやれば、25週間で終わる。シルマン本にしても、E、Dランクはすぐに終わる内容だし、Cランク、Bランクもそれぞれ個別のレベルとしては大した量ではない。 <br />
<br/>
あるいは、プラス30分確保、つまり一日90分確保できるなら、一日交互でストラテジーとエンドゲームを学習するのが良いかもしれない。 例えば、20分は当日分の新しい勉強、残り10分は復習とする(例えば前日の復習に5分、一週間前の復習に5分)。20分でも集中すれば結構進めることはできるし、シルマン本でエンドゲームをやるだけだったら、エンドゲームはすぐに終わる。なので、ゲーム集の学習に時間を割ける。
<br />
ということで、大して本も買うことなく、時間もかける必要はない(ただ、Chessbaseはあれば望ましい)。 ポイントは意識的学習を繰り返すこと、これが最も最も最も重要。結局これができないから上達しない。また、本は一冊を完璧にすることを目標にすべき。手は伸ばしちゃダメ。<br />
<br />
ゆっくりやったとしても半年ぐらいあれば、タクティクス本一冊、ゲーム本一冊、シルマンのエンドゲーム本Bクラスまで、ぐらいは終わるはず。 そして、それぐらいが学習すべき内容としては十分ではないかと思う。これだけ意識的かつ合理的に学習したならば上達しない理由がないように思える。誰か実験台になってやってください。<br />
<br />
<br />
<u><span style="font-size: large;"><b><a id="a15" name="a15">最後に:これをやると時間の無駄になることリスト</a></b></span></u><br />
<br />
私自身の経験上+また一般的に言われている無駄なことリストを挙げてみたい。 いろいろ調べていく過程で、同じように時間を無駄にしてしまう人もいるはずなので、参考にしてもらいたい。 私自身は、途方もない時間を無駄にした。 実際、上記の方法論にしても、他の人が時間を無駄にするのを防ぐ役割もある(大げさ)。<br />
<br />
・オープニングやりすぎ<br />
・ストラテジーにこだわりすぎ <br />
・ネット上のタクティクス問題をだらだらやりすぎ<br />
・タクティクス軽視しすぎ <br />
・マスターのゲーム本等をやたら買いまくってちょい読み多すぎ<br />
・本買いすぎ、買っても適当に読みすぎ<br />
・Blitz,Bulletやりすぎ<br />
・調べものしすぎ<br />
・上達論とかこだわりすぎ<br />
・情報量多すぎ<br />
・やること絞れなさすぎて、結局一つも「完璧」にできていない<br />
・手を広げすぎ<br />
・検討もせずに無意味な対戦こなしすぎ<br />
・復習しなさすぎ<br />
・思考過程にこだわりすぎ、思考の合理化には限界がある<br />
・そもそもチェスに時間かけすぎ <br />
<br />
上記のリストはやったとしても100%時間の無駄といえるので、そんな無駄なことはしないようにしましょう。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
続く・・・(次回からは自分が到達していないレベルなので妄想記事になります)Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-58527030499446849272014-02-15T19:05:00.000+09:002014-02-15T19:05:12.619+09:00久しぶりに・・・ もはや廃墟ブログ化してしまっていたこのブログだが、先日コメントをいただいたので、久しぶりに更新してみたい。<br />
<br />
最終更新が2013年8月・・・意外と数ヶ月しか経っていないのが驚き。 最後の記事にある通り、この数ヶ月はチェスというよりはピアノの方が趣味にかける時間は多かった。 そうはいいつつもピアノも最近はぜんぜんやらず、そもそも趣味にかける時間がなくなってきている現状。<br />
<br />
そうはいいつつもチェスを完全に辞めたというわけではなく、たまにネットで対戦はやっていた。 前みたいに本を読んだりということはあまりしなくなったけれど、たまにやる程度にはやっぱり楽しいチェス。 チェスははまりすぎると怖いけれど、ぼちぼちやるのには楽しい。 ということでぼちぼち程度には続けていこうとは思っています。<br />
<br />
達成可能性は低いけれど、今年の目標としてはchess.comのStandardで1800、chess.comのタクティクスで2100ぐらいを目標にしたい。 むやみに時間をかけずとも、一日30分~1時間程度でも、継続することさえできれば、達成可能な気もする。 <br />
<br />
<br />
<br />
さて・・・こんな話はどうでもいいが、先日、最近発売された本を読んだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
読んだのは<a href="http://www.amazon.co.jp/Pump-Your-Rating-Axel-Smith/dp/1907982736/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1392458443&sr=8-1&keywords=pump+up+your+rating">Pump up Your Rating</a>という本。チェス中毒者垂涎ものの題名。 直訳すれば「レーティングをガン上げしようぜ」的な感じか。 まあそんな胡散臭い題名の本だけれど、内容はいたって真面目。推奨されている方法も奇をてらったものではなく成功法。<br />
<br />
スウェーデンのIM(インターナショナル・マスター)のアクセル・スミスが著者。 2時間ぐらいでざっと見た感じだけれど素晴らしい本だと思う。
チェスの上達方法論としては結構な数の本を読んだけれど、これが最も優れていると感じた。具体的で、何より、Chessbaseといったプログラムを使うことを前提として具体的な使い方、練習方法が詳細に述べられている。何も考えずにこの本に従っておけば、かなり上達しそう。<br />
<br />
また、内容としても、Improve your chess
now, Move First Think Later,
等々今までの思考過程や上達論等の議論を踏まえた上で書かれている。 能動的な学習の強調、Chessbaseを使ったオープニングの学習方法論(これは今まで書籍としてはなかったと思う)、エンドゲームとして具体的にこれぐらい(100個)やれば完璧なんていうリストもある。 特に、自分のゲームの分析の項については、ただ
「自分のゲームを見直そう」という抽象論ではなく、ミスのリストを作って自らのミスの類型化する方法など非常に有益に思える。 実際、著者の指導の下に
GM(グランド・マスター)になっている若いプレイヤーもいるようで、効果は実証されているようだ。<br /><br /> 全体的に合理的でオープンな姿勢が
感じられるのも良い。 今までのチェスの上達論は、ロシアが強いだけあって、「ロシアのプレイヤーならだれでも知っている・・・」「ロシアでは常識だけれ
ど、ある方法によって・・・」とか、「秘密」を開示するような姿勢が散見された。 優れている本は残しているが、ドヴォレツキーの本とかでも似たようなこ
とを感じる。そういうのはとっつきにくい。<br /><br /> それに対して、本書は「知識はみんなで共有しましょう」という感じで、オープンに自らのトレーニングプラン、オープニング・プレパレーション等々をどんどん開示してくれる。 また、伝統的な「とりあえずマスターのゲームをやってみましょう」
といった今までの方法を踏襲するのではなく、「より合理的で効率的でまたやっていて楽しい練習方法」をやろうという姿勢が感じられ、必ずしも伝統的な方法
に則っているわけではない。まあ、スウェーデンだからそういう風潮があるのかもしれない。<br /><br /> 本書でとられている練習方法はIMやGMも実践している内容ではあるけれど、内容としては特段に時間と労力がかかる方法というわけでもなく、中級者でも参考になるところが多いと思う。 仮に一日に30分ぐらいしかチェスに時間をかけられないとしても、例えば本書で紹介されているようなタクティクスの学習方法(基本タクティクス問題をひたすら繰り返す)をやれば、結構レーティングは上がりそうな気がする。<br />
<br />
かなりオススメ <br />
<br />
<br />Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-29817586284215042812013-08-02T21:56:00.000+09:002013-08-02T21:56:43.255+09:00タクティクスについて考える その1 今回からタクティクスについて書いてみたい。理由としては単純で、タクティクスが伸び悩んでいるため、どのようにすればタクティクスの能力が向上するかについての考えの整理をする良い機会となると思ったからだ。<br />
<div>
<br /></div>
<div>
現在のchess.comのTactics Trainerのレーティングは1850程度。最近も気が向いたらやっているが、調子が良いときはレーティングが1950あたりまでは行けどもそれ以上はいかない。結果的に1800-1950程度でふらふらしている。 また、このまま漫然とやり続けてもこれ以上上がる気配がない。 そこで、そもそもタクティクスの実力を構成する能力は何であるのかという点について明らかにした上で、どうすれば向上するのかという点について考えてみたい。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
思うに、タクティクスの難しさは二種類ある。 第一が、そもそもタクティクスの存在に気付くことの難しさ。第二が、読みの難しさ。 タクティクスの存在に気づかなければいくら深い読みを正確にできても意味が無い。 また、仮にタクティクスの存在に気づきかけたとしてもある程度の読みを正確にすることができなければタクティクスを実行することはできない。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
このようにタクティクスについて考えるとき、大雑把に2つの要素に分けて考えることができる。 両者は明確に分断できるものではないが(詳しくは次回で扱う)、便宜上分けて考える。 そこで、まずは第一の点について述べていきたい。</div>
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<br /></div>
<div>
<b>1.タクティクスに気付くためには</b></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<u>(1)Logical Analysis</u></div>
<div>
個人的な実感として、読みの要素よりもこの第一の要素の方がより重要と考える。タクティクスの問題を間違えたとき、実戦でタクティクスを成功させることができなかったとき、たいていが読み切れなかったというよりも存在に気づかなかったから間違える。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
なぜ気づかないのかという原因を省みると、多くの場合「この要素に気づいていればタクティクスを発見できたのに」という、<u>要素の見落とし</u>にある。 そうすると、ポジションの要素を見落とすことがなければ、タクティクスにより気づきやすくなるのではないか、と考えることができる。 そこで以下では、どのようにすればポジションの要素の見落としを防ぐことができるのかという観点から考えてみたい。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<a href="http://walrusthegreat.blogspot.jp/2013/07/how-to-calculate-chess-tactics.html">以前の記事</a>でValeri BeimのHow to Calculate Chess Tacticsの感想を述べたが、その中でBeimはLogical Analysis(論理的分析)という方法を採っていると紹介した。要するに、具体的な読みに入る前に盤上の状態を分析するという方法だ。ただ、前述の記事において述べたように、How to Calculate Chess Tacticsの中には、具体的な分析手法については述べていない。 この点については、Tune Your Chess Antenna及びUnderstanding Chess Tacticsを参考にした上で、具体的に「論理的分析」というときに何を見るべきなのかという点について述べてみたい。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<u>(2)具体的手順</u></div>
<div>
<a href="http://walrusthegreat.blogspot.jp/2013/06/2.html">だいぶ以前の記事</a>で述べたように、Tune Your Chess Tactics Antennaの中で、①キングのポジション②浮き駒の把握③駒の直線関係④ナイトフォークの可能性の検討⑤トラップの可能性のある駒の確認⑥駒の守りの確認⑦キング周りの守り駒が少ないこと、という7つの要素を挙げている。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
もちろん、実際にこのように検討しても良いのだとは思うが、①②⑦についてはいずれもウィークポイントを起点としてタクティクスの検討という意味で1つにまとめても良いように思われる。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
そこで、<span style="color: red;">①ウィークポイントの確認②ナイト・フォークの可能性の検討③直線関係の把握④駒の守りの関係性の把握⑤不自然な駒の配置の確認(トラップの可能性のある駒)</span>、とする。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
では、具体的にどのように手順で検討していけば良いか。 この点については、Understanding Chess TacticsのStatus Examination(駒の状態検査)の項が参考になった。 Status Examinationとは、それぞれの駒がまずどのような状態にあるのかを確認する手法のことだ。 </div>
<div>
<br /></div>
<div>
具体的には、その駒は守られているか/別の駒を守っていないか/ピンされていないか/他の駒と直線上に並んでいないか、等々を検討する。 一概にこれを検討すべきという要素はない。ただ、その際、先述のTune Your Chess Antennaの要素が参考になると思われる。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<u>(3)まとめ</u></div>
<div>
以上を要約すると、まず盤面を見た上でいきなり本格的な読みに入らないことが重要。<br />
<br /></div>
<div>
次に、上では述べてはいないが、ポジションの概観をざっと見ることも重要である。簡単なタクティクスではポジションを精査しなくとも、直感的な把握でタクティクスに気付くことは非常に多いからだ。また、最初の概観によって目星をつけることができる。この段階でも本格的な読みは行わず、要素の検討のための簡単なラインのチェックに留める(この点については次回以降の記事で扱いたい)<br />
<br /></div>
<div>
そして、ざっと見ただけで気づかなかった場合に、ポジションを丁寧に検討する。 具体的には、盤上の駒の状態をそれぞれ確認していく。 そして、駒の状態を確認する過程で、上記で挙げた①~⑤の要素を重点的に検討する。<br />
<br />
このように述べると長すぎて実戦的ではないように思われるが、実際に使ってみたらそれほどではない。そして推測だが、こういう作業というのは慣れたら瞬時にできるのではないかと思う。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<u>(4)実例</u></div>
<div>
長々と書いたが、以上述べたことが具体的にどのように現れるのかを例で示してみたい。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
まずは簡単な例から</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-2emfjX3B5bc/UfuO-soIQ3I/AAAAAAAAAGE/KU-xH_Ptc0Q/s1600/example1.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://1.bp.blogspot.com/-2emfjX3B5bc/UfuO-soIQ3I/AAAAAAAAAGE/KU-xH_Ptc0Q/s320/example1.jpg" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<b>Black to move</b></div>
<br />
まず、ざっくりとポジションを見た印象として、ルークがgファイルにあり、その直線上に白ナイトがあることに気付く。 また、黒駒はキングサイドに密集しており、キング周り、特にg3のナイトが怪しいと検討をつけることができる。<br />
g3のナイトの状態を確認すると、f2ポーンにしか守られていないことに気付く。逆に言えば、f2ポーンが失くなればg3ナイトは浮き駒になる。そこで、1...Nxf2が最初に思い浮かぶ。<br />
<br />
1...Nxf2 2.Rxf2なら、2...Rxg3でポーン1つ得になる。 2.Kxf2ならどうか。 まずは、最も強制的な手順である、2...Bc5+を考える。 ナイトを守ろうと思えば、3.Kf3が考えられるが、そうすると、3...Bg4#でメイトとなってしまう。その他の手では、いずれにせよナイトは守れない。 3.Be3としても、3...Bxe3 4.Kxe3 Rxg3でナイトが落ちる。<br />
以上から、Nxf2でポーン1つ得ができるという結論に達する。<br />
<br />
次にもう少し難しい例。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-PPcMQDQPCO4/UfuaO6-jGbI/AAAAAAAAAGU/a-ZgI5uj_VI/s1600/example2.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://2.bp.blogspot.com/-PPcMQDQPCO4/UfuaO6-jGbI/AAAAAAAAAGU/a-ZgI5uj_VI/s320/example2.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<b>White to move</b></div>
<br />
初見の印象で思うことは、まずキングがオープンであること(ウィークポイント)に気付く。Qg4+からチェック可能。 次に、e5ポーンの特殊な配置に気付く。 1.Qg4+ Kh8 2.exf6でメイトスレットが生まれる<br />
<br />
もう少し詳しく見ると・・・ まず、b7のマスが実質的に浮いていることに気付く。すなわち、b7にいるビショップはg2のビショップによって利きを受けているからだ。したがって、1.Bxb7 Rxb7とした場合、b7のルークはa8-h1のダイアゴナルからの攻撃に対して無防備となる(b7がウィークポイントであることの確認)。 <br />
次に、先ほどのメイトスレットをもう少し詳しく見る。 1.Qg4 Kh8 2.exf6とした場合、黒がメイトを防ぐためには2...Rg8とするか、2...Bxf6とするしかない。 まず、2...Rg8とした場合、e7にいるビショップはポーンによって攻撃されたままになる。 次に、2...Bxf6とした場合、f6にいるビショップは浮いている。このラインの検討からf6もまたウィークポイントであると考えることができる(こういったバリエーションの流用については次回で扱う)。<br />
<br />
以上から、b7、f6、g8(キング)がウィークポイントであることがわかる。 複数のウィークポイントがある場合、考慮すべきは、ダブルアタックだ。そして、現状ダブルアタックが可能な駒としてはクイーンしか考えられない。 g8とf6、g8とb7はクイーンによるダブルアタックには適する場所にない。 ただ、f6とb7に関してはf3からのダブルアタックが考えられる。 しかし、c4にいるクイーンはf3に直接たどり着くことができない。ここでQg4+によって一テンポ稼いだ上で、クイーンをf3に置くという案が考えられる。<br />
<br />
以上から次のようなバリエーションが考えられるだろう。<br />
<br />
-1.Qg4+のライン<br />
1.Qg4+ Kh8 2.exf6? Rg8 3.Qh4。 このラインだと目的は達成できない。<br />
1.Qg4+ Kh8 2.Bxb7 Rxb7 3.exf6 Bxf6 4.Qf3 ダブルアタック成功。(2...exf6でももちろん駒得)<br />
<br />
-Bxb7のライン。<br />
.1Bxb7 Rxb7 2.Qg4+ Kh8 3.exf6 Bxf6 4.Qf3 ダブルアタック成功。<br />
1.Bxb7 Rxb7 2.Qg4+ Kh8 3.exf6 Rg8 4.Qf3 b7にいるルークに対するクイーンによる攻撃、e7ビショップに対するf6ポーンによる攻撃によるダブルアタック成立。<br />
<br />
<br />
<br />
と、言葉にすると長すぎてこんなこと考えられる訳ないだろという声が聞こえてきそうであるが、こういった作業は頭の中では言語化されずにもっと短く行われる。 そして優秀なプレイヤーはポジションをさっと見ただけで、こういったポジションの「要素」を瞬時に把握できるのではないかと思う(もちろんパターンのストックが大前提にあるとは思うが)。<br />
<br />
次回は読みについて扱いたい。</div>
Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-57135325919630006292013-07-31T23:08:00.000+09:002013-07-31T23:14:55.293+09:00エンドゲームの勉強が生きた 久しぶりにchess.comでStandardの対局。時間は15m10s。 相手は大分格上だったが、58手目でPhilidor Positionに到達してドロー。 劣勢からドローにできたというのも満足だが、SilmanのEndgame本で学んだ知識が生きたのがうれしかった。<br />
<br />
<br />
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="519" src="http://www.chess.com/emboard?id=1543192" width="574"></iframe>Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-12534648293991028322013-07-30T01:58:00.000+09:002013-07-30T02:10:36.310+09:00スタイルとオープニング オープニングは何を選ぶべきかというテーマについて、よく自分のスタイルにあったオープニングを選ぶべきと指摘される。しかし、自分のスタイルなんてものはずっとわからなかった。むしろ自分程度のレベルでスタイル云々いうのも変な気もしていた(卑下して言っているわけではなく客観的な強さとして)。例えばヴァイオリンで音程が定まっていない演奏者がスタイルなんて言っても失笑ものだろう。何の分野でもスタイルというのはある一定程度のレベルに達してからの話だろう、と。<br />
<br />
この考えは今でも変わらないが、少しずつ「好きな」タイプのゲームはわかってきた。自分がプレイして楽しいというより、観ていて面白いという意味あいが強いが。 観ていて面白いと感じるのはタクテクスがビシビシ決まるタクティカルなゲームではなく、一つ一つ有利を重ねていって最後に相手が瓦解するような論理に支配されたポジショナルなゲームだ。<br />
<br />
もちろんポジショナルなゲームといっても、タクティクスはもちろんあるだろうし、有利が重なった最後の段階は必ずと言っていいほどタクティクスに結びつく。ただ、前者のタイプのゲームにあまり惹かれないのは、後者のタイプに比べて偶然性を感じるからだ。 サクリファイスからの10手のコンビネーションを見ても、なぜか相手のミスに起因するという意味で偶然性を感じてしまう。 むしろ、じわじわと相手を劣位に追い詰め、相手が負けたことが必然であると感じさせるようなゲームに惹かれる。<br />
<br />
この点、元チャンピオンのアナトリー・カルポフが面白いことを言っている。<br />
<br />
-<i>Let us say that a game may be continued in two ways: one of them is a beautiful tactical blow that gives rise to variations that don't yield to precise calculations; the other is clear positional pressure that leads to an endgame with microscopic chances of victory. I would choose the latter without thinking twice. If the opponent offers keen play I don't object; but in such cases I get less satisfaction, even if I win, than from a game conducted according to all the rules of strategy with its ruthless logic. </i> -<br />
<br />
カルポフの場合はプレイする側としての立場であろうけれど、観ている側としては同じように感じる。<br />
<br />
最近見ていたゲームでは、以下のものが面白かった。 特に2つ目のアレヒンのゲームは、チェスのゲームを見ていて初めて感銘を受けた。<br />
<br />
<br />
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="http://www.chess.com/emboard?id=1539496" width="574"></iframe>
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="http://www.chess.com/emboard?id=1539504" width="574"></iframe><br />
<br />
<br />
こんなことを考えていると自分もあわよくばそういうポジショナルなプレイをしてみたいと思うようになった。 そう考えるとオープニングも搾られる。<br />
<br />
しばらくいろいろなオープニングを試した。 まず一番悩んだのが、1.d4に対する応手。1.d4からのオープニングはトランスポジションも非常に多く、またオープニングによっては多大な労力がかかるものもあるため、選択に困った。<br />
<br />
悩んだ結果、結局Queen's Gambit DeclinedのTartakowerにした。 Tartakowerは、chess.comで出会ったギリシャ人に勧められたオープニングだが、プレイしていて比較的心地良い。 何より、駒のセットアップが調和的で、一見詰まっているように見えてお互いの駒がそれぞれ意味をもってあるように感じられるのが良い。<br />
<br />
King's Indian, Grunfeld, Nimzo Indian, Slav, 等々も試したり、オープニング概要本(MCO)等でちょい読みしたりしたが、結局辞めた。 KIDは基本的にタクティカルなオープニングであるし、白はラインを絞れるのに対し、黒は非常に多くの白の手に対応しなければならないことを考えるとやめた。<br />
<br />
Grunfeldは、理論的に非常に複雑らしく、その時点で萎えた。 Nimzo-Indianはおそらく全オープニングの中で最も豊かなオープニングの1つなのだろうけれど、これまたラインの多さ、それに対する労力を考えるとやめた。 ただ、...e6つながりで、QGDとセットで使うこともできるのでゆくゆくは使ってみたい。 Slav、Semi-Slavは最後まで候補に残ったが、ラインによってはとんでもなく複雑で萎えた。先ほどのギリシャ人に初心者はSlavはやめておけと言われたのを今になって納得した。<br />
<br />
1.e4に対しては、これまたいろいろ試した。 長らくSicilian Kanを使っていたが、このオープニングはもっと上級者向けのオープニングなのではないかと思うようになった。 ポジショナルなオープニングではあるのだろうけれど、基本的に中央放置の詰まった形になるため、高度な戦略が必要になるオープニングだと思う(Understanding Chess Openingsにも同様のことが書いてあった)。 <br />
また、1..e5もしばらく試したが、白の手が多すぎるのでやめた。 また、ルイロペスのメインライン等一部を除き基本的にはタクティカルなプレイとなるため、この点もマイナス要因。<br />
<br />
そこで回りまわってフレンチを使うことに決めた(今日から)。 まず第一に、1...e6を使うという点でSicilian Kanとの共通点もあるという点が良い(Sicilian Kanでも、白がc3とした場合には、French Advance Varationになることがある。)。 レパートリーの構築として、フレンチ+Sicilian Kanというのも可能になる。<br />
第二に、基本的にアイデア・プラン重視のオープニングであるらしいこと。 少しフレンチのゲームを見ていたら、超がつくほどの複雑なラインもあるようだが、1つぐらいそういうラインを含むオープニングを勉強するのは良いかもしれない。<br />
<br />
フレンチの複雑なゲーム例。<br />
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="http://www.chess.com/emboard?id=1539542" width="574"></iframe>
<br />
白については、1.e4から.1.d4に変えた。 とはいえ、膨大なレパートリーの中から全く道標がないのもあれなので、John Watsonの<a href="http://www.amazon.co.jp/Strategic-Chess-Opening-Repertoire-White/dp/1906454302/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1375116484&sr=8-1&keywords=strategic+opening+repertoire+for+white">A Strategic Opening Repertoire for White</a>を指標にしようかと思う。 ラインラインライン・・・ばかりの本なので、この本を全部読むなんてことはしないし無意味だろう。ただ、一応この本のコンセプトとしては、戦略的・ポジショナルなオープニングを提供するということにあるので、ざっくりとしたメインラインとアイデア・プランぐらいは参考にしようと思う。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com4tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-6987807381695765632013-07-29T01:21:00.002+09:002013-07-29T11:04:48.443+09:00Mastering ... シリーズ 最近はあまりチェスをやっていないが、CHESSBASEでたまに本を読んでいる。<br />
<br />
<a href="http://www.everymanchess.com/index.php">EVERYMAN CHESS</a>がCHESSBASE関連のソフトウェアで読み込み可能なEbookを販売している(CHESSBASEのソフトを持っていなくても、無料の読み込みソフトもEVERYMAN CHESSでダウンロード提供している)。棋譜と一緒にコメントが並ぶというスタイルで読める。 だから、CHESSBASEでキーボードでカチカチやるだけで本が読める。 何が便利かといえば、いちいち棋譜並べをしなくて済むという点につきる。<br />
<br />
こんな感じになる↓(クリックで拡大)<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-CDh6sNdRIoo/UfVD82F9qkI/AAAAAAAAAF0/n-MZf1wEk-w/s1600/MOS.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="193" src="http://2.bp.blogspot.com/-CDh6sNdRIoo/UfVD82F9qkI/AAAAAAAAAF0/n-MZf1wEk-w/s320/MOS.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
そんなEbookをだいぶ前にいくつかダウンロード購入していたが、その中で思いの外良い本があった。Johan Hellstenの<a href="http://www.everymanchess.com/chess/books/Mastering_Opening_Strategy">Mastering Opening Strategy</a> と <a href="http://www.everymanchess.com/chess/books/Mastering_Chess_Strategy">Mastering Chess Strategy</a>という本だ。前者はオープニングにおけるストラテジー(イニシアティブ、展開等)の本、後者はミドルゲームにおけるストラテジーを紹介。<br />
<br />
この両者の本が何が良いかというと、その例の豊富さ。例えば、Mastering Chess Strategyに至っては600ゲーム近く紹介している。 例えば、「チェス戦略大全」としても翻訳されている、PachmanのComplete Chess Strategyの第一巻でも130ゲーム程度。 とにかく多い。 なぜそれが可能かといえば、全ゲームを紹介するのではなく、重要な局面の図面を提示して軽くコメントしていくというスタイルだからだ。これがパソコンでカチカチ見るという見方にはちょうど当てはまる。<br />
<br />
長々した説明とかどうでもいいから早く実戦例を見たいという人にはオススメできると思う。 また、選ばれているゲームも面白く、コメントもわかりやすい。 そんなMasteringシリーズだが、三部作目としてエンドゲームのMastering Endgame Strategyも近日発売されるようだ。楽しみ楽しみ。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-64831692046564771502013-07-26T02:06:00.000+09:002013-07-26T03:02:02.927+09:00How to calculate Chess Tactics読了 Valeri BeimのHow to calculate chess tactics読了。読了といっても途中から例をかなりはしょった。 総論的な感想としては自分よりもっと上級者の人を対象に書かれた本だと感じた。何より例が非常に難しいものが多い。<br />
<br />
この本を読む人の多くが、読みについての手法やタクティクスについての思考過程を学びたいと考えているだろう。ということで、読んだことの整理を兼ねてほぼ要約の感想を書く。<br />
<br />
"Tactics"の章と"Calculation"の二章からなっている。<br />
<br />
<b>1.一章 Tactics</b><br />
Tacticsの章は、最初にTacticsとはなんぞやという定義論が長々と述べられる。TacticsとCombinationの違い、Combinationにおいてサクリファイスは不可欠の要素か、等々、「へー」となることが書いてある。しかし、果たして実戦上に役立つ知識かどうかはわからない。むしろ本題は後半の「Logical Analysis」の部分。<br />
<br />
タクティクスにおいて難しいのはタクティクスの存在に気付くことだ。では、どのようにして見つけるべきかということに対するBeimの回答がこれだ。 Logical Analysisとは要するに、具体的な手を検討する前に、ポジションを構成している要素を精緻に分析するという手法だ。<br />
<br />
具体的には、①駒数の確認②彼我のポーンストラクチャーにおける弱点の確認③最後に動的な要素(展開の具合、イニシアチブの有無等)の確認という手順を辿るべきだとする。<br />
<br />
その上で、タクティクス(特に駒得を伴うタクティクス、メイト)が発生するためには戦略的な優位があることが前提条件にあるということを強調する。例えば、ビショップ1つがキングサイドに向いていてもタクティクスが成功する可能性は低い、しかし、クイーンとビショップ2つがキングサイドに向いていたらタクティクスが発生する可能性は高いだろう。 このように、タクティクスが発生するのは前提条件が整っている必要がある。<br />
<br />
・・・なんてことが書いてあるが、これって既に何百回も言われていることである。特に、目新しいことではない。<br />
<br />
Beimの言うLogical Analysisの重要性はわかる。闇雲に手を検討する前にポジションを精緻に分析すべきことの重要性は最近少しずつわかってきた気がする。しかし、上記①②③では、あまりに抽象的かつ一般的のように思われる。 もちろん、実戦ではタクティクスがあるかどうかわからない状況であるために、上記①②③のような思考過程の方がより実戦的であろうとは思う。しかし、タクティクスの本について書いてある以上、タクティクスの発生条件に特化した分析手法についてもっと掘り下げて書くべきだ。この点は不十分に感じた。<br />
<br />
この点については、Tune Your Chess AntennaやUnderstanding Chess Tacticsの方がはるかに優れている。 両者ともBeimのいうLogical Analysisについて述べた本だということができる。いずれの本も、タクティクスの発生条件は何かというテーマで書かれた本だが、もっと具体的に書かれている。<br />
<br />
<b>2.二章 Calculation</b><br />
Calculationは日本語だったら「読み」なのかな。とにかく、二章は読みについての章。<br />
<br />
Alexander Kotovが"Think Like a Grandmaster"において提唱した読みについての手順を軸として書かれた章。このKotovの本は読み関連の本だと必ずと言っても登場する。 BeimはKotovの手順は不十分だと主張する。<br />
<br />
そもそもKotovが主張した手順というのは以下のようなものだ。<br />
<br />
<i>1.読みを始める前に、ありうる全ての手をリストアップしなけれなばならない(候補手 candidate moves)。これによって見過ごしが防げる。</i><br />
<i><br /></i>
<i>2. 1を終えたら読みを始める。どの手から検討し始めるかについては、プレイヤーの性格やポジションの性質に拠る。最も難しいラインから検討する人もいるかもしれないし、逆の人もいるだろう。</i><br />
<i><br /></i>
<i>3.上記によって検討されたラインは樹形図のように示される。</i><br />
<i><br /></i>
<i>4.読みをなすにあたって重要なルールとして、一度検討したラインを再度検討してはならない。</i><br />
<br />
というもの。 そして第二章では、この手順では不十分だとして以下のように問題を指摘して修正する。<br />
<br />
第一点については、Kotovは候補手をどのように探すべきか述べていないと批判。そこで、第一点は、「候補手とは、当該ポジションにおいて論理的に見える手やもっともらしく見える手を意味する」と修正すべきとする。とはいえ、「もっともらしい」という点について、経験や直感によるところが大きいとも別の箇所で述べている・・・<br />
<br />
第二点については、候補手の1つが複雑過ぎる場合、そのラインはひとまず置いておいて別の簡単なラインから検討すべき。簡単なラインが成立しないときに限り、難しいラインを検討すべきとする。<br />
<br />
第三点については、そもそもラインを樹形図のように考えることに実益があるのか不明であるとして、検討したラインを頭の中で樹形図のように整理することは無意味であるとする。<br />
<br />
第四点については、各ラインについては原則として一回限りの検討を行うべき、しかし、これはあくまでも手を比較検討している段階で、実際に手を打つ前には読みに漏れがないか最終チェックすべき。また、次に述べるresulting movesの考えを利用する場合には、再度同じラインを検討することはやむを得ないとする。<br />
<br />
第四点に関連して、”resulting move“という概念を紹介している。(なお、この点についてあたかもBeimが考えたかのように書かれているが、Improve your chess now!でTisdallが既にこの考えを紹介していたような気がする…)。resulting movesというのは、ある候補手Aを検討してその手が成立しないことを確認した場合、成立しない理由からアイデアを得て別の候補手Bで利用するというもの。<br />
<br />
わかりにくいだろうから、例を以下に示す。(Tune your Chess Antennaからの引用例)<br />
<br />
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="519" src="http://www.chess.com/emboard?id=1532792" width="574"></iframe>
<br />
また、読む際に一気に最後まで読むのではなく、段階ごとにポジションの評価を加える方法、読み終わった最終局面のポジションの局面評価の重要性、いつ読みをやめるべきか等々の興味深いテーマが扱ってある。特に読みと局面評価は密接不可分であり、いくら長いラインが読めても最終的な局面の評価を加えることができなかったら意味がないということはなるほどと思った。<br />
<br />
<b>3.終わりに</b><br />
タクティクスの章については目新しいところがなかったのは事実だがタクティクスを検討する前の局面評価の重要性の点については意識づけられた。読みについての章は、読みについての1つの手順が示されているという点では参考になった。確かに、Kotovの手順は理想的で実戦的ではない。ただ、Beimの修正も特段変わったものというものでもなく常識的なものではあるが。<br />
<br />
結論としては、この本を読むよりも、Improve your chess now! やTune your chess Antenna、Understanding Chess Tacticsを読む方が実益はあると思う。<br />
<br />
ということで面倒な読書も終わったので、今度はタクティクスについて考えるところ、何をしたらタクティクスが上達するか等の点について自分なりの考えを書いてみたいと思う。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-72345912993197232352013-07-21T12:59:00.000+09:002013-07-21T13:12:15.072+09:00playok 最近playokでもプレイし始めるようになった。長めの時間設定でもすぐに相手が見つかるのが良い。また、最近chess.comで負け続けで不快ボルテージが高まっていたため、たまには違うところでプレイするという意味も。<br />
<br />
そんな中、つい先ほどのゲームでだいぶ前のゲームの見直しが活きた。クイーンズ・ギャンビット・ディクラインドを使っていると、たまにこのゲームのようにc5と指してくるプレーヤーがいる。対応を知らないと、そのまま窮屈な形を強いられることになるが、前に同じ手をくらったことがあったので対応を覚えていた(実際は、10手目のミスにより危うく優位が帳消しになりかけたが)。<br />
<br />
(popuriiというのが自分)<br />
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="519" src="http://www.chess.com/emboard?id=1524846" width="574"></iframe><br />
もう一個、だいぶレーティングが下の相手だったが、良い勝ち方ができた。攻撃を左右に振り分ける戦い方ができてよかった。それにしても、playokってchess.comとレーティングの価値が全然違う。この相手にしてもchess.comだったら1400-1600ぐらいの印象を受けた。<br />
<br />
<br />
<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="http://www.chess.com/emboard?id=1524860" width="574"></iframe><br />
<br />
<br />
<br />
タクティクスについて考えてみようということで、Valeri Beimの<a href="http://www.amazon.co.jp/Calculate-Chess-Tactics-Valeri-Beim/dp/1904600506/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1374378876&sr=8-1&keywords=how+to+calculate+chess+tactics">How to Calculate Chess Tactics</a>という本を読んでいる。 しかし、ハイパーつまらん。冗長で回りくどく、無駄に例が多く、読んでいてイライラしてくる。似非アカデミック臭が半端ない。既に半分ぐらい読んだので、一応最後まで読むつもりだが、苦痛。 あといくつか気になるものを読んで、タクティクスについて考えるところを書いてみたい。 特に、タクティクスを検討する前の盤面分析、読みのやり方、候補手等のテーマについて。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-18329671733582015192013-07-17T18:38:00.000+09:002013-07-17T22:33:44.716+09:00フィリドールの音楽 チェスでフィリドール(Francois-Andre Danican Philidor)というと、フィリドール・ディフェンス(1.e4 e5 2.Nf3 d6)が思い浮かぶ。チェスの歴史を少し調べればすぐに出てくる人で、「ポーンはチェスの魂」という言葉で有名。ベント・ラールセンが、最も時代を先んじていたという意味では、最も偉大なチェスプレイヤーだったと評価している。ただし、フィリドールの考えを理解する同時代人はおらず、彼の考えが理解されるのはだいぶ後になる云々云々、そんな話をよく聞く。<br />
<br />
そんなフィリドールだが、フィリドールは音楽家としても有名だった。バッハ一族ではないが、フィリドール・ファミリーは音楽家の家系だった。これらのことは<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%AF%EF%BC%9D%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB">Wikipedia</a>にも書いてある。<br />
<br />
以前からどんな音楽を書いていたのかは気になっていた。今日思い立って、<a href="http://ml.naxos.jp/">NML(Naxos Music Library)</a>でCDを見つけたのでいくつか聴いた(<a href="http://www.theclassicalshop.net/Details.aspx?CatalogueNumber=CX%207439">CD</a>) 。聴いたのは「転調の技法(The Art of Modulation)」。ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、オーボエ、チェンバロの四重奏曲。<br />
<br />
Youtubeに1番の第一楽章だけあった(CDには6番まで収録されている)。<br />
<br />
<br />
<iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="//www.youtube.com/embed/k9RPZq90zfw" width="560"></iframe><br />
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この1番の第一楽章にしてもなかなかよいではないか。バロック時代のノリの良い対位法音楽は大好物なので、1;16~からの緊迫感のある掛け合いなんて大好き。 一段落してからの(若干陳腐な)泣かせるメロディー(2:37~)など非常にヘンデルっぽい。<br />
他の2~6番通して、全体的に健康的、快活でわかりやすい。ひねくれた曲はない。また、メロディーメーカーとしての才能も感じる。口ずさみたくなるような心地良い旋律が随所に現れる。そして何よりリズム感が良く、聴いていると自然に身体が揺れる。他の音楽も聴いてみたくなった。<br />
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惜しむらくは鍵盤楽曲を残していないことか。おそらくいくつかは鍵盤作品も残しているのだろうが、少なくとも<a href="http://imslp.org/">IMSLP</a>では見つからなかった。ネット上の楽譜店でも扱っていない。 知っている人がいたら教えて下さい。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-59944566080137155682013-07-11T22:09:00.000+09:002013-07-11T22:09:29.316+09:00タクティクス・・・<iframe allowtransparency="true" border="0" frameborder="0" height="434" src="http://www.chess.com/emboard?id=1507704" width="574"></iframe><br />
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中盤まで押していたが、タクティクスに気付かなかった。そして、31手目で霊長類レベルのブランダーをしてそのまま他界した。<br />
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19手目と21手目でタクティクスの見逃し。19手目はまだしも、21手目は難しくないタクティクスだったので気付くべきだった。<br />
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まだまだ微妙なポジショナルプレイやギスギスしたエンドゲームで勝負がつくレベルではなく、しょぼいタクティクスやまぬけなブランダーで勝負がつくレベルにいる。そう考えると、タクティクスを強化しないといけない。何より、今のままでは今より上のレベルにはいけないだろう。<br />
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chess.comのTactics Trainerは、大体1750~1850ぐらいでうろついている。最高が1978。対局相手のプロフィールを見ていると、同じぐらいのレーティングの人は大体2000ぐらいある。人によっては2300とか2400という人もいる。<br />
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なので、これからタクティクス力を上げていきたいと思う。 とりあえずの目標はChess.comのTactics Trainerで2000を超すこと。次は2200。 できれば、年内に2200を越したい。 これからいろいろ試していきたいと思っているので、その度に途中経過を報告したいと思う。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-78022368954849741302013-07-10T02:15:00.001+09:002013-07-10T02:16:07.095+09:00Simple Chess / Silmanエンドゲーム本 無駄に本を持っている割にまともに読んだ本がほとんどないという状況だが、少しずつちゃんと読むことにし始めた。<br />
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<b>1.Simple Chess</b><br />
まずは、Michael SteanのSimple Chess。 一章あたり20~30ページ×7章と短い本なのですぐに読み終えた。CHESSBASEに自分の要約コメント等を打ち込みながらだったが、とりあえず早く読んで回すのが良いかと考え、大体1日90分ぐらいで一章を読み進めるハイペースで読んだ。<br />
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評判通りの良い本だった。弱いポーン(backward, isolated, doubled pawn)が・・・とか、バッド・ビショップが・・・とか、スペース・アドバンテージが・・・とか知っていたが、もう少し理解が深まった。<br />
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当たり前の話といえば当たり前の話だが、マイナーピースの優劣、ポーンストラクチャーの優劣等はそれ自体が目的なのではない。 あくまで、中間目的としては駒得、そして最後にメイトするために存在する。このことに改めて気付かされた。<br />
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仮に、グッド・ビショップをもっていたり、スペースアドバンテージを有していたとしても、駒得等の具体的結果につながらなかったら意味がない。 それらの要素をどのようにして中間目標である駒得そして最終的なメイトにつなげるのかという点が強調されており、目から鱗。<br />
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また、ポーンとピースの関係についても勉強になった。 弱いポーンをもってしまうと、ピースはそれを守るために活動範囲が著しく狭められてしまう。そうすると、相対的にピースの価値が劣ることになり、最終的には相手の攻撃に耐え切れなくなる。 ポーンが弱いということは、ポーンそのものの価値だけではなく、ピースの価値も下げる。ポーンそれ自体で考えてはダメ。これまた目から鱗。<br />
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とはいえ、こういう知識は使えなかったら何の意味もない。特に、ハイペースで読んだのでまともに頭に残っていない。 なので繰り返して脊髄に叩きこもうと思う。データベースに既にぶちこんであるので、後は回すのみ。<br />
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<b>2.Silmanのエンドゲーム本</b><br />
Simple Chessを読んだ後に、ついにエンドゲームの勉強を始めてしまった。エンドゲームを勉強することは重要と知りつつも、その面白くなさそう臭からずっと敬遠していた。パンドルフィーニ本も読んだりしたが、その苦行林の修行のごときつまらなさに半分ぐらいで放り出してしまった。<br />
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エンドゲーム本として何を使うかについては、いろいろ悩んだが、Jeremy SilmanのSilman's Complete Endgame Courseにした。最大の理由は、レーティングクラス別に順に進めるようになっていること。 例えば、パンドルフィーニ本の場合だと、いきなり地獄のB+N+K vs. Kチェックメイトなんて出してくるが、そんなことはない。(そもそもこの本は、B+N+K vs. Kは「学ぶ必要がない」として紹介されていない。)<br />
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難易度順というだけでなく、「実戦に出そうな順」で並べてくれているのも良い。勉強したらすぐに使えそうな知識を得ることができる。さらに、パンドルフィーニ本のように、テクニカル・ポジション(勝ち負けがはっきり決まっている理論的なポジション)だけでなく、実戦的なテクニックも教えてくれる。<br />
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例えば、クラスD(レーティング1200-1399)で、Fox in the Chicken Coupなんていうイカガワシイ命名の手法を紹介している。 ボードの右と左にポーンがあったら、左のポーンをプロモーションさせるように見せかけそちらに相手のキングの注意を引きつつ、相手のキングが左のポーンをプロモーションを止めようとしている隙に、右のポーンをプロモーションさせましょう、というもの。 知っていたら使える。<br />
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等々、良いことづくめのようだが、欠点としては冗長なことか。 どうでもいい言葉が多い。ユーモアと取れるところもあるが、もっと圧縮して短く書いて欲しい。好みの分かれそうな点。ただ、時たま笑えるところもある。<br />
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「<i>RULE : もし相手のポーンがナイトかルークポーンの場合で、自分のキングが相手のポーンの前にあるときは、たとえロボトミー手術の傷が完治してなくても簡単にドローにできる。</i>」<br />
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というのには笑ってしまった。<br />
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また、クラス別ごとに学ぶという体裁のため、網羅的な知識が得られるわけではないということも欠点の1つかもしれない。しかし、これは、シルマン自身が長年のコーチ経験からこの程度のレーティングの奴だったらこれぐらいでいいだろうという選定のもとで行なっているので、逆に利点といえるかもしれないが。<br />
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そんなシルマン本だが、とりあえずBクラス(レーティング1600~1799)まで読み終えた。Bクラスでも既に自分のレーティングより高いであろうと思われるが、まだなんとか理解できた。 この本も、一日90分程度で3日ぐらいで一気に読んだ。 以前にCクラスまで読んでいたので、ほぼBがメインだったが。 CからBまでは全部CHESSBASEのデータベースにぶちこんだので、後はひたすら回すのみ。Walrushttp://www.blogger.com/profile/08431919449870658036noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-3889202659869991937.post-88928512804414196482013-07-08T21:59:00.000+09:002013-07-09T02:49:06.544+09:00快勝+ボッコボコ 久しぶりにchess.comで対局。1つは快勝、もうひとつはボッコボコにされた。同じぐらいのレーティングの相手になすすべなくやられるということはそうそうないが、今回負けたゲームでは、何もできないまま文字とおりなすすべなくやられた。初めてあたったオープニングだったということもあるが、ミドルゲームで完封負け。11...Ng5!から一気に交換を迫られ、白はバッドビショップが残るのみに。続いて、c4にナイトでアウトポストをとられるも、白マスのため黒ビショップでは対抗できず、ナイト無双で粉砕された。途中でe3-e4でビショップを解放すべきだったが...f5によってその機会も奪われ(ついでにこの手によって、ケチなトラップも潰された)、後は思うままに蹂躙された。グッドナイトvsバッドビショップの典型例みたいなゲームになってしまった。 <br />
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両方とも注釈付きで棋譜を載せようかと思ったが、疲れたので勝った方だけ注釈付き。<br />
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勝った方<br />
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負けた方<br />
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